煮もの(NIMONO)

煮蛤の握り寿司の画像
煮蛤の握り

煮蛤の握り

【握り寿司: 煮もの】ハマグリは淡水が流れ込む内湾の砂泥地で、水深10mくらいまでの海域を好む。1960年代までは、東京湾が名産地で潮千狩りでも、ハマグリは捕れた。現在は埋め立てなどで壊滅状態になる。しかも、日本全国で捕れるハマグリのほぼすべては外洋性のチョウセンハマグリ(common shield-clam)で、日本古来のハマグリは幻の品になりつつある。因みにチョウセンは韓国を意味するのではなく、幾分変わっているハマグリと言う意味です。

現在、市場でハマグリとして売られているのは、大半が韓国から輸入されているチョウセンハマグリ(common shield-clam)と、中国から輸入されているシナハマグリ(hard clam)である。日本へ輸入された後、近海に放流し、畜養している。韓国産の蛤を加熱すると情けないほど身が縮むのは、職人の間ではよく知られた話だ。日本の蛤は、焼き物にすると、貝殻から飛びだしそうになる程膨らむ。

かつて東京湾では山のように獲れ、今でも江戸前寿司には欠かせない寿司ネタだ。蛤を酒蒸しにするか、茹でてから、醤油と酒、砂糖を合わせた調味料に漬け込む。その身はやわらかくふわりとした食感と豊かな磯の香りがする。噛みしめるほどに貝のエキスが口の中に溢れる贅沢な一品だ。身の捌き方、仕込み、握り方、そして上に塗る煮ツメの味など、多くの技が要求される寿司ネタである。

【ハマグリの目利き】
国産従来品種のハマグリは、殻長が約9cmぐらいです。一方、チョウセンハマグリは約12~13cmと大型です。二つの貝を打ち付けて、高く澄んだ音がすれば、新鮮な証拠です。そして厚みがあるものが上物とされる。

【ハマグリの栄養と効能】
ハマグリの旨みはコハク酸によるものとされるが、アサリやシジミに比べて、コハク酸の量はかなり低い。むしろ大量に含まれるグリシン、アラニン、グルタミン酸などの方が、旨みに大きく関与していると考えられる。それとハマグリは生食をしない。必ず火を通して食べる。なぜならハマグリの身の中にはビタミンB1を分解するアノイリナーゼという酵素が存在しているためだ。アノイリナーゼが体内に入ると、腸内に存在するビタミンB1が分解され、B1欠乏症になおそれがある。焼き蛤など加熱さえすれば、酵素が不活性化されるので、安心して食べられる。

【ハマグリの漁法】
貝桁網、大巻き、腰巻き、手堀りなど

【ハマグリの基本データ】
分類:マルスダレガイ目マルスダレガイ科
学名:Meretrix lamarcki (Roding,1798)
地方名:カシマハマグリ、ゴイシハナグリ、ヒュウガハマグリ
由来:外形が、「栗」に似ており、浜辺で生息することから、「浜栗」となったようである。

主産地

愛知 三重 千葉

名産地

鹿島灘 桑名

春~初夏