魚は釣り上げられると、全力で暴れ泳ぎ、緊張状態が続く。その状態のまま料理をすれば、全身の細胞に血が回っています。特に、白身では、身に透明感がない。身が固くなる。身が血生臭いなどとなる。つまり白身の魚の身に血の気が多いということは、調理には不適切なのです。
そこで酸素と水量たっぷりある水槽に、他の魚と擦れない程度の数を入れ、水槽に蓋をして仮の暗室を作り出します。この時、水温は低温が理想である。その方が魚は暴れにくいのです。半日も置けば、漁獲直前に食べていた腹中の未消化物を吐き出し、暗室にも慣れて落ち着きます。そして暴れ泳いで全身に回った血の気が引いたリラックス状態となります。このような状態を作り出すことを活け越しと言います。