塩締め

塩締めとは、生の魚に塩を振り、脱水させて味を凝縮し、更に水分を抜くことで生臭さをぬき、細菌類の繁殖を抑え、保存性を高めることです。これは料理をする方なら、大体の方が知っていることでしょう。

振る塩の量によって、うす塩、ふり塩、強塩の3段階に分かれる。うす塩は付いているか付いていない分からないぐらいであり、強塩になると、魚が塩に埋もれた状態になります。

すしネタの場合は、身のたんぱく質を塩で変性させる目的があります。魚の身のたんぱく質の50%を占める筋原線維たんぱく質は、2~6%の食塩水に溶ける性質がある。塩を振ってしばらく置いておくと、身の表面付近の水分が脱水作用で表面に出てくる。身の表面は高濃度の食塩水に覆われた状態になり、身の表面部分のたんぱく質はゲル化と言ってゼリーのような柔らかい状態になる。

ただし、塩を振った後に必要以上に放置しておくと、身の表面を覆う食塩水の濃度がどんどん高くなる。食塩濃度が15%付近いなるとゲル化は起こらず、脱水のみが続くので、魚の身は硬くなり、口当たりが悪くなるので、注意が必要である。

塩だけではなく、砂糖でも同じ現象が起こる。塩だけで締めると塩辛くなったり、魚の身が固くなりすぎたりすることから、鯖などについては、砂糖を使うことがある。寿司職人によっては、塩締めの前に砂糖で締め、その後塩締めをする場合もある。いずれにせよ、寿司ネタの食感の変化も狙っている。