貝類(KAIRUI)

バイガイの握り寿司の画像
バイガイの握り

バイガイの握り

【握り寿司: 貝】
バイ(Babylonia japonica)は、浅い沿岸域の砂泥底に生息するバイ科の巻貝で、一般に「バイガイ」と呼ばれています。黒バイや本バイとも呼ばれ、主に塩茹でや醤油の煮付け、酒蒸しなどでおつまみとして美味しく食べられています。

一方、寿司店や市場で「バイガイ」と呼ばれるものには、これとは異なるエゾバイ科の巻貝も含まれます。その代表が「シロバイ」で、日本海側では寿司ネタとして親しまれています。シロバイは分類学上の正式な分類群ではなく、地域や流通上の呼び名です。寿司店では、たくさん獲れるエッチュウバイ(Buccinum striatissimum)をシロバイと呼ぶことが一般的です。

シロバイの身は、白磁を思わせる艶のある白色で、コリコリとした歯触りと上品な甘味が特徴です。噛むほどに、ほのかな苦味も感じられます。握り寿司ではこの独特の食感を楽しむのが基本ですが、酒蒸しにすると身が程よく柔らかくなり、酢飯にもよく馴染みます。また、仕込みの際に昆布出汁でさっと煮れば、淡白な味わいに旨味を加えることができます。

関東では寿司ネタとしてあまり馴染みがありませんが、金沢など北陸地方の寿司店では比較的よく見られます。ちなみに、「バイガイ」の「バイ」という音から「福が倍になる」と連想され、縁起のよい食べ物とされることもあります。

【シロバイの主な種類】
白バイとは、カガバイ(Buccinum bayani Jousseaume, 1883)、エッチュウバイ(Buccinum striatissimum Sowerby, 1899)、オオエッチュウバイ(Buccinum tenuissimum Kuroda in Teramachi, 1933)など、白っぽい身を持つ食用のバイ類を総称して呼ぶ名称です。

カガバイは能登半島から北海道にかけての水深200~500mに生息し、殻高は15cmほどに達します。エッチュウバイは能登半島より西側の日本海に分布する大型のバイ類で、殻高は15cmほどになります。オオエッチュウバイは島根県以北の日本海に分布する日本海固有種で、水深400~1000mに生息し、殻高は25cmほどに達します。シロバイ類の中でも特に美味とされ、大型のものほど高値で取引されます。

【シロバイ(エッチュウバイ)の生態】
シロバイは、日本海西部を中心に分布し、能登半島以西から山陰沿岸にかけて多く見られます。水深約180~500mの砂泥底に生息し、昼間は海底の泥に潜み、夜になると餌を求めて活動します。

殻高はおよそ10~12cm、最大で約15cmに達します。殻はやや薄く、白色を基調として、表面には非常に細かな螺肋が密に刻まれています。薄い淡黄色の殻皮に覆われていますが、成長した個体では殻皮が部分的にはがれ、白っぽく見えることが多いのが特徴です。軟体部は白色で、黒い斑点があります。豊洲市場価格(目安):1,500~3,000円/kgとなります。

【クロバイ(バイ)の生態】
クロバイは標準和名を「バイ」といい、北海道南部から九州、朝鮮半島などに広く分布します。内湾から外洋に近い沿岸域の、潮間帯から水深20~50mほどまでの砂泥底に生息しますが、特に水深10m前後の砂底で見られます。

殻高は約6~7cm、殻径は約4cmで、シロバイより小型です。殻は厚く堅牢で、白色から灰白色の地に紫褐色~褐色の斑紋が規則的に並びます。生きているときは黄褐色の殻皮に覆われているため、斑紋がやや暗く見え、老成した個体では殻皮が黒褐色になることもあります。軟体部も黒っぽい色をしているため、市場などでは「クロバイ」と呼んでシロバイと区別することがあります。多分、この身肉の色のため、寿司ネタにしないと想像する。春から初夏(3月〜6月頃)が旬とされる。豊洲市場価格(目安):2,000~3,000円/kgとなります。

【バイガイの注意点】
エッチュウバイは、ホタテやイガイと同様で、毒化することがあるので注意が必要です。

【バイガイの目利き】
殻の表面と蓋を見て、身がしっかり詰まったものがよい。死んでしまいアンモニア臭などがするものは、食中毒の恐れがあるため絶対に避けること。

【バイガイの漁法】
バイ籠漁

【輸入バイの種類】
韓国:バイ
台湾:ゾウゲバイ、ウスイロバイ、ヤマグチバイ、マキミゾバイ
スリランカ:セイロンバイ
パキスタン:タイワンバイ、ベンガルバイ、ソマリアバイ
インドネシア:ボルネオバイ

【エッチュウバイの基本データ】
分類:新腹足目バイ科エゾバイ属
学名:Buccinum striatissimum Sowerby III, 1899
地方名:シロバイ、白バイ、バイ
由来:「エッチュウ」は主な産地である越中(現在の富山県)に由来し、「バイ」は貝の音読み「バイ」に由来する。

【バイの基本データ】
分類:新腹足目バイ科バイ属
学名:Babylonia japonica (Reeve,1842)
地方名:本バイ、黒バイ、アズキガイ(石川県)
由来:「バイ」が「貝」の音読みであることから。巻き貝の古名である「貝(かひ)」が転訛したものや、殻が独楽の形に似ていることから。

(2026年8月15日加筆)

主産地

島根 山口 福井 京都