貝類(KAIRUI)

平貝の握り寿司の画像
平貝の握り

平貝の握り

【握り寿司: 貝】正式名称は「タイラギ」だが、タイラガイという俗称の方がよく知られている。大きいものでは貝殻の全長が30cmにもなり、大小2つの貝柱を持つ。主に食用となるのは、大きい方の貝柱で、むき身で出荷されることが多い。寿司屋などが使う殻付きで流通しているものは、少し値が張る。

タイラギには、殻の表面に多数の鱗片突起の列を有するものと、鱗片が無く平滑なものの 2 種類がみられ,前者がリシケタイラギ(Atrina pectinata lischkeana)、後者がタイラギ(Atrina (Servatrina) pectinata)と分類されている。漁業関係者は殻に鱗片があるものを「ケン」或いは「ガザ」、ないものを「ズベ」と呼んでいる。ただし、リシケタイラギとタイラギは形態的特徴から明らかに別種であると言えない調査結果もある。

タイラギは包丁を入れると、切り口の表面が細かいしわになります。そのしわが細かいほどザラザラした舌ざわりが感じられるが、それがタイラギの生きている証です。口に含むとサクサクした歯ざわりと淡い潮の甘み、その奥に消えそうな心地よい渋み、それがタイラギ特有の風味となって舌を満足させてくれる。食感と甘みの濃厚さでは帆立より一枚上といえる。生も良いが、少し厚めに切って炙るとぐっと甘みが増す。

タイラギの旨みは、グルタミン酸、イノシン酸などの他、二枚貝に共通して大量に含まれるグリコーゲン、コハク酸が関与している。この他タイラギに大量に含まれるグリシンペタインやβ―アラニンペタインもその独特の味に関係している。

国内産の漁獲量が少ないため、韓国産のタイラギが多く輸入されている。韓国産の特徴は、国内産に比べて色が白く、身が少々柔らか目である。

【タイラギの漁法】
潜水漁

【タイラギの基本データ】
分類:ウグイスガイ目ハボウキガイ科クロタイラギ属
学名:Antrina pectinata (Linnaeus, 1767)
地方名:テメエラ、エボウシガイ、タチガイ、ヒランボ、ヒロウガイ
由来:見た目が、平らな貝のため、この名が付いた。

主産地

愛知 香川 岡山

名産地

有明海 三河湾

冬~早春