【握り寿司: 光り物】
市場で主に流通するカマスには、ヤマトカマスとアカカマスの2種類があり、すしネタには、味がよいとされるアカカマスが使われることが多い。ヤマトカマスはアカカマスより脂が少なく、水っぽいことから価格も比較的安く、干物などに加工されることが多い。
アカカマスは、一般に「カマス」又は「本カマス」と呼ばれ、ヤマトカマスは「水カマス」や「青カマス」と呼ばれる。市場などでは、両者を区別せずに単に「カマス」と呼ぶこともある。
アカカマスは淡白な味わいの白身魚で、身の水分量は70~80%と多いため、一般には生食よりも焼き物に適しているといわれる。すしネタにする際には、ひと塩して余分な水分を抜くことが仕込みのポイントである。旨みの多くは皮と皮下にあるため、寿司にする時は皮を残し、焼き霜にすると、皮の香ばしさと身の旨みを楽しむことができる。特に脂が乗る秋のカマスは美味とされ、上品な旨みを生かし、昆布締めにするのもよい。
【アカカマスの生態】
アカカマスは、沖縄を除く南部地域の日本海沿岸から南シナ海にかけて分布し、沿岸の浅い海域や岩礁域、砂地などに生息する。体長は40cmほどになり、大きいものでは50cm前後に達する。体は細長い円筒形で、頭部は長く、口が大きく、鋭い歯を持っている。背側は青緑色から褐色を帯び、腹側は銀白色をしている。カマスの仲間は世界に約21種が知られ、日本には9種が生息する。
【トレビア】
脂がのったものは、霜降りカマスと呼ばれる。現在では塩焼きやフライにして食べられているが、特に干物が美味しい。江戸時代でも干物を食していたようで、和漢三才図会には、「備前から多く干物として出荷されている」と記されている。
【カマスの目利き】
大きくて幅があり、ふっくらとしているものがよい。そして尾の方まで太いものは、脂のノリがいい。鮮魚は目がきれいで、よく澄んでいるいるもの、鱗が乾燥しておらず、しっかりしているものを選ぶこと。カマスは大きくなっても大味にならないので、大型で身が締まっているものがよい。
【アカカマスの漁法】
定置網、刺網、敷網、釣りなど
【アカカマスの基本データ】
分類:スズキ目カマス科カマス属
学名:Sphyraena pinguis Günther,1874
地方名:シャクハチ(和歌山県、島根県)、ホンカマス(東京都)、オキカマス、大カマス/ツチカマス(高知県)、アラハダ、ドロカマス、ヤヨイ(紀州)、ナダカマス(有明海)、アカガマサー(沖縄県)
名前の由来:その大きな口が、わらむしろで作られた穀物などを入れる袋「叺(かます)」に似ていることに由来する。
(2026年9月8日加筆)