【握り寿司: 白身】
サケ(白鮭)は、北海道や太平洋側の東北地方の河川でふ化した後、海で4年ほど過ごし、産卵のために生まれた川へ戻ってきます。日本で「サケ」といえば、一般に白鮭を指します。9~11月の産卵期に、川へ戻ってきたところを漁獲されるため、「秋鮭」とも呼ばれます。
鮭児(けいじ)は、ロシアのアムール川水系で生まれたサケが回遊の途中に北海道沿岸へ入り、知床から網走付近で11月上旬から中旬に漁獲される、脂ののった若いサケです。サケは通常、産卵のために川を上るとき、体に蓄えたエネルギーを使うため、身の脂が減少していきます。一方、鮭児はまだ産卵の段階に入っておらず、卵巣や精巣も未成熟です。そのため、通常のサケよりも多くの脂肪を蓄えています。漁獲量は普通のサケ1万匹に対して1~2匹程度ともいわれ、「幻の鮭」と呼ばれています。その希少性から市場価格も非常に高く、豊洲市場では2021年に北海道湧別産1.9kgの鮭児が、仲卸で税込み13万円を超える価格で取引された例があります。
鮭児の握りは、脂が豊富でありながら、一般的なサケとは異なる独特の香りが特徴です。鮭特有の臭みが少なく、脂には旨味と甘みがあり、口当たりも滑らかです。また、部位によっても味わいが異なり、腹側では脂の旨味を、背側では鮭児特有の香りをより楽しめると評する寿司職人もいます。濃厚な脂と独特の香りを併せ持つことが、鮭児ならではの味わいです。
【ケイジ(白鮭)の基本データ】
分類:サケ目サケ科サケ属
学名:Oncorhynchus keta (Walbaum,1792)
地方名:オオメ
(2026年8月21日加筆)