魚卵(GYORAN)

トビッコの握り寿司の画像
トビッコの握り

トビッコの握り

【握り寿司: 魚卵】
トビッコはトビウオの卵を着色し作った加工品です。オレンジ色の1~2mmほどの大きさであり、味よりも噛むたびにプチプチとする食感を楽しむものを言える。実はトビウオの卵は淡い黄色であるため着色が容易です。わさびやハラペーニョ風味の緑色にしたり、イカスミ味の黒色にしたりすることができる。以前からちらし寿司の彩りに使われてきた食材だが、値段もトロやウニに比べると気軽に食べれるので、現在では回転寿司などの寿司ネタとして定着している。

適度な塩味は寿司飯や海苔との相性がばっちりで、お互いの良さを引き出す。寿司では軍艦巻きで食べるのが一般的である。魚卵は台湾やインドネシアで乾燥品や塩蔵品などに加工され、日本に送られ、寿司ネタや加工品にまぶして販売される。一方、日本周辺でも多くの種類のトビウオがおり、それらからトビッコが作られる。こちらはほとんど獲れなくなった鰊の卵(数の子)に食感が似ている。

近年は海水温変動や漁場変化でトビウオ類の漁獲が不安定になっており、さらに世界的な水産物需要増加で価格競争が激しくなっています。加えて、2024年以降は冷蔵・冷凍物流費や人件費、エネルギーコストも上昇しており、豊洲市場でも加工魚卵全般が高騰している。それと豊洲の魚卵関係者の間では、イクラ高騰の影響も間接的に大きいと言われています。イクラが高すぎるため、外食チェーンが「見た目の華やかさ」を補うためにトビッコ使用を増やし、その結果、需要が押し上げられていると考えている。

海外ではトビッコを、ロール寿司や創作寿司によく使っています。しかし日本の江戸前寿司店には、トビウオもトビッコも置いていません。どちらもすしネタとして認められていないので、間違っても注文しないようにしてください。

ちなみに「トビッコ(とびっこ)」は、一般名称のように使われていますが、実は登録商標です。商標権者は、兵庫県芦屋市の水産加工会社かね徳です。同社が飛魚卵を味付け加工した商品名として「とびっこ」を展開したことから広まりました。ただし、寿司業界や市場では普通名称化がかなり進んでおり、豊洲でも仲卸や寿司店が日常的に「トビッコ」と呼んでいます。

(2026年5月23日加筆)

主産地

島根 京都 長崎

夏~早秋