【握り寿司: 魚卵】古くはニシンの卵巣の塩乾品、現在ではほとんど塩蔵品で、古くから正月或いは婚礼などの縁起物として珍重されてきた。かつて北海道西岸のニシン漁場がにぎわい、春になると「春告魚」の別名を持つニシンの産卵群は大挙して沿岸へ押し寄せた。一夜に何百トンも網に入るおびただしい数のニシンがたくさんの卵を抱えている様は、子宝に恵まれ、子孫繁栄の願いに通ずる。
干し数の子を食塩に付けて戻し、その後漬け汁で寝かすため、とても手間の掛かるネタだ。薄い塩味の身はプリプリと歯ごたえがよく、シャリとの相性が抜群だ。3月ごろから鰊は産卵のために、北海道沿岸に押し寄せる。この新物の「春数の子」は、地元北海道以外では、なかなか味わえない希少な一品だ。
【正月に数の子を食べる意味は?】
おせち料理に数の子を使くのは、昔はタラコやイクラに比べて、数の子の値段が安かったため、江戸時代に8代将軍の徳川吉宗が、正月のご馳走ぐらいは同じものを食べて、新年を祝ってほしいという想いから、数の子を使うように奨励したと言われる。
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春