【握り寿司: 貝】エゾバイ科の巻貝の中で、水深200~1000mの深海に生息する食用巻貝を総称してバイと呼んでいる。その中でもカガバイ (Buccinum bayani Jousseaume,1883)、 エッチュウバイ (Buccinum striatissimum Sowerby,1899)、オオエッチュウバイ (Buccinum tenuissimum Kuroda in Teramachi,1933)などの白っぽいバイガイを、総称してシロバイとも呼ぶ。
カガバイは能登半島から北海道にかけての水深200~500mに生息し、殻高は15cmに達する。エッチュウバイ (Finely-striated buccinm)は能登半島より西側の日本海で獲れ、水深200~500mに生息し、殻高は15cmに達する。オオエッチュウバイは、島根以北の日本海の固有種で、水深400~1000mに生息し、殻高は25cmに達する。シロバイの中で最も美味しいとされ、大型なものほど高価である。
シロバイという名の通り、白磁を思わせる艶のある純白な身で、貝特有のコリコリとした歯触りの後、甘味と苦みがふんわりと広がる。握りで、この身の硬さが気になるようなら、酒蒸しにして味わうのが良いかもしれない。すると程よく柔らかくなり、酢飯にも馴染む。また淡白な味を引き立てるために、仕込みの時、昆布出汁でさっと煮るのも手である。産地でもある日本海を代表する寿司ネタである。
関東ではすしネタとしては馴染みがないが、金沢などの寿司屋ではよく見かける。余談ですが、バイガイの「バイ」という音から、「福が倍になる」とのことから縁起のよい食べ物とされる。
【バイガイの漁法】
バイ籠漁
【輸入バイの種類】
韓国:バイ
台湾:ゾウゲバイ、ウスイロバイ、ヤマグチバイ、マキミゾバイ
スリランカ:セイロンバイ
パキスタン:タイワンバイ、ベンガルバイ、ソマリアバイ
インドネシア:ボルネオバイ
【バイの基本データ】
分類:新腹足目バイ科バイ属
学名:Babylonia japonica (Reeve,1842)
地方名:
由来:「バイ」が「貝」の音読みであることから。
島根 山口 福井 京都
冬