【握り寿司: 貝】ミル貝の正式名称は「ミルクイ」です。ミル貝は殻から突き出た水管を横に裂いたものが寿司ネタになる。1個の貝から多くて4貫にしかならない。そして乱獲で消滅寸前です。今でも瀬戸内海や三河湾などで獲れるが、漁獲量は限られているので、超高価な寿司ネタだ。
ところが多くの回転寿司がメニューにミル貝をリーズナブルな価格で載せている。そしてネタがあまりにも白っぽい。結論から言うと、この貝は「白ミル(別名ナミガイ)」と呼ばれ、主産地は愛知や千葉である。呼び名の通り、水管がミル貝より大きく白いのが特徴だ。そして砂泥地に生息する貝ならではの癖があり、その点では好き嫌いが分かれる。ただ、値段が半額以下となれば、代用貝にもってこいである。
残念ながら代用貝の白ミルも減少し続けている。そこで需要を満たすためにカナダやアメリカなどからPacific geoduckが輸入され、これも豊洲市場では白ミルと呼ぶ。そして代用貝にも価格高騰の波が来ており、代用貝の名は返上する時期にすでに来ている。
【白ミル貝の基本データ】
分類:オオノガイ目キヌマトイガイ科ナミガイ属
学名:Panopea japonica A.Adams,1850
地方名:シロミルガイ、オキナノメンガイ、カモガイ
由来:前述の通り。
愛知 千葉
春