【握り寿司: 白身】北海道南部から東シナ海にかけての沿岸で、どこでも見られるので地方名も多い。沿岸から水深60m~200m程までの岩礁域やブロックの影に隠れて生息し、貪欲な肉食魚で、小エビなどの甲殻類や、ゴカイなどの多毛類、ハゼなどの小魚を捕食する。体色は濃い褐色や赤っぽいもの、黒っぽいものまで様々な個体がおり、生息している環境によって変異が大きい。深みに生息するものほど赤く、浅場に生息するものは黒っぽいと言われている。また、不規則な白い斑紋が背側にあることも特徴である。メバルやアイナメとともに、根魚の代表格である。旬は冬とされるが、産卵時期を考えれば、夏から秋も美味しいシーズンとなる。
豊洲市場では高級魚として扱われるが、何せ入荷が一定しない。その上、頭が大きくて歩留まりが悪いとなれば、握り寿司や刺身を提供する店は稀である。またその上品な味わいは、悪く言えば、物足りなさを感じる。そこで食べ方としては皮目を炙り、香りを立たせる。そして皮下のゼラチン質が溶けることで、じんわりと脂の甘みと旨みを感じる。またスダチなどの柑橘と塩で供するのもいい。
【カサゴの目利き】
体表の色、模様、斑点のはっきりしているのがよい。
【カサゴの漁法】
延縄、刺網、一本釣りなど
【カサゴの基本データ】
分類:スズキ目メバル科カサゴ属
学名:Sebastiscus marmoratus (Cuvier,1829)
地方名:ガジラ(関西、高知県、香川県)、アカメバル(岡山県、高知県)、ホゴ(広島県、山口県、大分県、愛媛県)、アカカブ(佐賀県、長崎県)、ガラカブ(熊本県)、アカゾイ(青森県)、ハチメ(新潟県、富山県)、アタガシ(和歌山県)、ボッカア(鳥取県)、ガガニ(高知県)、モアルカブ(壱岐、玄海)、アカイユ(沖縄)
魚名の由来:頭が大きく、出っぱっている棘を骨に見立てて、笠をかぶっているようだというところから付けられたとされる。
冬