鮟鱇は「7つ道具」と呼ばれる身、肝、胃、卵巣、エラ、ヒレ、皮がすべて食べられるエコな魚である。一般的に、これらをすべて入れたコラーゲンたっぷりのアンコウ鍋が定番である。
鮟肝とは鮟鱇の肝(肝臓)のことです。珍味として珍重されて、フォアグラのような濃厚な味とまろやかな舌触りがある。仕込みの時に食感を悪くする薄皮や血管の除去を丁寧に施すと肝の形が崩れる。これを丸く形成し、蒸し固め、美しい仕上がりにして提供する鮟肝は、濃厚で美味しく「海のフォアグラ」と呼ばれる。すっと口でとけるような滑らかな舌触りが大きな特徴だ。
通常、握り寿司で食べると言うより、スライスして、山葵を載せて、酒の肴とするのが一般的です。また、シャリの上に載せただけは芸がないので、すし匠系列の店では、鮟肝に西瓜の奈良漬をプラスしたり、銀座のはっこくでは、わざわざ潰して、くちどけ感を変えたりと余念がない。
【トレビア】
古くから食用とされてきた魚で、江戸時代には鮟鱇汁などにして食べていたという。本朝食鑑には、「この魚、皮肉骨腸胆、皆食うべし」とある。他にも江戸初期には冬のアンコウは献上物にされたこと、公家で食された高級魚であったこと、庶民は値下がりする春になってから食べていたことが記されている。
【アンコウの漁法】
底曳網、刺網、空釣縄など
冬