魚卵(GYORAN)

あん肝の握り寿司の画像
鮟肝の握り

鮟肝の握り

【握り寿司: その他】
鮟肝とは、鮟鱇の肝(肝臓)を使った料理で、珍味として珍重されています。フォアグラを思わせる濃厚な味わいと、まろやかで滑らかな舌触りが大きな魅力です。

おいしい鮟肝に仕上げるうえで、まず重要なのは新鮮なアンコウを使うこと。そして仕込みでは、食感を損なう薄皮や血管を丁寧に取り除きます。この作業をすると肝の形が崩れやすくなるため、再び丸く形を整え、蒸して固めます。こうして美しく仕上げた鮟肝は、濃厚な旨味がありながら、口に入れるとすっと溶けるような滑らかな舌触りを楽しめます。

素材の状態を見極め、丁寧に仕込むことは、すし職人が魚介と向き合う基本ともいえますが、実際にそれを高いレベルで仕上げるのは容易ではありません。

鮟肝は、通常の握り寿司として味わうよりも、酒の肴として楽しむのが一般的です。特に、蒸した鮟肝を薄切りにして、ポン酢、葱、もみじおろしなどを添える「鮟肝ポン酢」は、居酒屋や和食店などでも親しまれている定番の食べ方です。

握り寿司にする時は、シャリの上にそのまま載せるだけでは芸がないと考え、すし匠系列の店では鮟肝に西瓜の奈良漬を合わせたり、銀座の「はっこく」では、あえて鮟肝を潰して食感や口どけを変えたりするなど、さまざまな工夫が凝らされています。また、鮟肝は海苔との相性も非常によく、その濃厚な味わいを生かして軍艦巻きに仕立てることもあります。

【アンキモの栄養成分】
アンキモは栄養価が非常に高く、脂溶性ビタミンが豊富です。生のあん肝100g当たり、ビタミンA(レチノール)約8,300 µg、ビタミンD約110 µg、ビタミンE(α-トコフェロール)約14.0 mgを含みます。これらのビタミンはそれぞれ視覚・骨の健康維持や抗酸化作用に関与する栄養素です。

【アンコウの生態】
アンコウは世界に約270種類ほどが知られ、そのうち日本近海には約60種が生息する。そのうち食用とされるのはアンコウ科とフサアンコウ科に属する数種程度で、その中でもアンコウとして流通されるのは「アンコウ」と「キアンコウ」という標準和名の2種類です。市場ではアンコウを「クツアンコウ」、キアンコウを「本アンコウ」と呼んで区別しており、単に「アンコウ」というときは、より流通量の多い「キアンコウ」を指すのが一般的だ。

キアンコウ(Lophius litulon)は、日本では北海道以南に分布し、朝鮮半島沿岸から黄海、東シナ海北部にかけても生息しています。砂泥底を好み、水深20~500mの海底付近に生息します。日本近海では水深30~400mほどの大陸棚から陸棚斜面で見られます。

体は頭部が大きく、平たく幅広い独特の形をしており、最大で全長約1.5mに達します。成熟する大きさは地域によって異なりますが、雌では50~55cm前後、雄では35cm前後とされています。

体色は黄色みを帯びた淡褐色から暗褐色で、背面には褐色の小さな輪状の斑紋が網目状に並んでいます。腹面は白色で、体表には鱗がなく滑らかです。水揚げされた個体では、背面が黒褐色に見えることもあります。口の中や舌の大部分が白いことも特徴で、近縁のアンコウと見分ける際の重要なポイントです。

鮟鱇は「7つ道具」と呼ばれる身、肝、胃、卵巣、エラ、ヒレ、皮がすべて食べられるエコな魚である。一般的に、これらをすべて入れたコラーゲンたっぷりのアンコウ鍋が定番である。

【アンコウのトリビア】
古くから食用とされてきた魚で、江戸時代には鮟鱇汁などにして食べていたという。本朝食鑑には、「この魚、皮肉骨腸胆、皆食うべし」とある。他にも江戸初期には冬のアンコウは献上物にされたこと、公家で食された高級魚であったこと、庶民は値下がりする春になってから食べていたことが記されている。

【アンコウの漁法】
底曳網、刺網、空釣縄など

【アンコウの基本データ】
分類:アンコウ目アンコウ科アンコウ属
学名:Lophius litulon (Jordan, 1902)
地方名:クツアンコウ/ミズアンコウ(宮城県)、アンコモチ(和歌山県串本)、アンゴウ(大阪府堺)、ハタアンゴ(鹿児島県)、アファ―(沖縄県)
魚名の由来:諸説ありますが、大きく裂けた口と前に突き出た顎の外見が奇妙です。この「顎」が訛ってアンコウの語源になったようだ。

(2026年8月18日加筆)

主産地

北海道