【握り寿司: 白身】目鯛は、北海道以南の日本各地に分布し、成魚は水深150~400mの底層付近で生息する。体長は90㎝に達する大型魚で目が大きいことから、その和名が付いた。魚体の色が赤ければ、なんとなくキンメダイに似ている。学名は、Hyperoglyphe japonica (Döderlein, 1884)で、和名は目鯛です。
体表の色は若魚のうちは全体に黒っぽいが、成魚になると全体に色が薄くなり、背は赤みを帯びた灰褐色になってくる。タイとは別種のエボダイの仲間で、体表はぬるぬるしている。旬は脂の乗っている秋から冬で、代表的な産地は、島根、山口、長崎、高知、東京湾内房などです。
目鯛は、鮮度の落ちた冷凍品が多く流通していた時期もあり、味はいまひとつといったマイナスイメージを持つ市場関係者も多かった。2022年頃、脂乗りと食感が良く目鯛の印象が変わったと話題となり、有名すし店などが買い付ける人気魚に躍進した。産地も目鯛の品質向上に乗り出し、静岡県の業者は、名産のキンメダイ並みに丁寧に扱うようになった。今後、キンメダイやノドグロのようなスターになるかもしれない。
目鯛は切り付けると白身に美しい紅赤色の血合いが映え、寿司ネタとして見栄えがする。淡白で嫌味はなく、甘みもあり、真鯛やヒラメ、カンパチなど他の白身より安く味わえるのが魅力である。握り寿司にする時は、塩締めにして、一晩冷蔵庫で寝かして、旨みが増してから使う。伊豆諸島などでは身を醤油に漬けたものを酢飯と握った郷土料理「べっこう鮨」として利用されている。
【目鯛の基本データ】
分類:スズキ目イボダイ科メダイ属
学名:Hyperoglyphe japonica (Döderlein,1885)
地方名:アオメダイ(静岡県富戸)、アカメダイ(静岡県富戸、白浜)、アオサ(静岡県伊豆)、ダルマ(山口県阿武町、長崎県平戸市度島)、マガイ(富山県魚津市)、タルマ(熊本県上天草、高知県、鹿児島県屋久島、種子島)
魚名の由来:東京都周辺での呼び名で、眼が大きな鯛という意味です。
鹿児島 高知 伊豆諸島 小笠原諸島
冬