【握り寿司: 白身】鮎は北海道南部以南から日本各地の河川、朝鮮半島、中国の河川に分布する。背側は緑褐色で、腹側は白色です。体長は20~30cmです。大部分の鮎は最初の産卵後に死ぬ。
古来より高級魚として珍重されてきた。土用入りして20日間が最上とされる。江戸時代には将軍家へ献上もされていた。塩焼きの他、刺身、なます、魚田楽、アユ寿司、うるかなどにして食する。富山などでは夏の盛期に大量に獲れたものも、粕漬けにして保存する。味噌に漬けると上品なアユの味覚が損なわれるが、粕漬けは淡い甘さがアユの味によく合う。
最も代表的な姿焼きにするには、よく洗って鱗を取るだけでよい。イワナやヤマメと違って、内臓が喜ばれるので取らない。すべてのおろし方に共通するのは、アユは体表にジストマがいるので、水洗いとウロコ引きを丁寧にする。内臓の活用はうるかが代表的だが、落ち鮎でないと仕込めない。卵巣と腸のうるかは天然ものの鮎でないと食べれない。
伝統的な江戸前寿司のひとつなのに鮎の姿鮨を提供する寿司屋は、日本中を見渡しても少ない。上質な天然鮎が獲れなくなっていることや、仕込みが面倒だが馴染みのないネタのため人気がないのかもしれない。小振りの鮎を開いて酢じめにしたものに、すし飯をつめて握ったものです。何とも高貴な香りと微かな甘みがたまらない一品です。また滋賀にある寿司屋ではコハダの稚魚の新子のように数枚付で握るところもある。
【トレビア】
日本書記によると、神功皇后が「戦いに勝利できるなら魚が釣れますように」と祈りながら米粒を投げたところ、アユが釣れたという言い伝えがあり、ここから「祝賀の魚」「占いの魚」として用いられたことから「鮎」と表記するようになったという。
ときどき背開きか腹開きがよいかと話題になるが、原則どちらでもかまわない。伝統的に腹開きを嫌うケースが多いので、背開きの方が無難である。
【鮎の目利き】
鮮度が低下すると腹割れする。天然の鮎はやや黄色みがかり、養殖の鮎はやや青みがかっているところで、両者を区別する。体にぬめりがあり、透明感と張りのあるものを選ぶこと。
【鮎の基本データ】
分類:キュウリウオ目アユ科
学名:Plecoglossus altivelis (Temminck & Schlegel, 1846)
地方名:アイ(岐阜)、ヒオ(滋賀)、ヒウオ
魚名の由来:、秋に産卵のために川を下ることから「 落 ( あ ) ゆ」に由来する説がある。
滋賀 岐阜
6月~8月