【握り寿司: 白身】石鯛は、千歳列島南部を除く北海道全沿岸から九州南岸に広く分布する。日本海には少なく、房総半島から九州南岸の温帯域に多く生息している。
石鯛は、皮目の鮮やかな縞模様とピンク色の身が美しく、寿司にすると映えるネタだ。甘みがしっかりしていて、歯応えもある。天然物の流通量が少なく、時価で取引される高級魚だ。姿が真鯛に似ていたり、表皮が赤い魚には○○鯛と名のついた魚が多い。真鯛人気にあやかりたいのだろう。目が大きくて光っている金目鯛とか、頭が大きくずん胴の体つきをしている甘鯛などであるが、いずれも鯛科の魚ではない。この「ニセ鯛」の中で、すしネタとして旨いのが石鯛でもある。
【トレビア】
釣り人の間では引きの強さから「磯の王者」、釣れることが稀のため「幻の魚」とも呼ばれる。
【イシダイの目利き】
新鮮なものは身が硬く締まり、弾力性があって、エラが鮮紅色をしている。また目が澄んで魚体表面にヌメリの多いのが鮮度がよい証である。
【イシダイの漁法】
定置網、流し釣り、リール釣り
【イシダイの基本データ】
分類:スズキ目イシダイ科イシダイ属
学名:Oplegnathus fasciatus (Temminck and Schlegel,1844)
地方名:シマダイ(幼魚)、ハス(関西)、ワサナベ(和歌山県田辺)、ウミバス(大阪)、サンバソウ(播磨)、シマゴロ(土佐清水)、タカバ(富山県)、ナベワリ(熊野、駿河)、クロクチ(広島県)
名前の由来:非常に固く鋭い歯を持ち、石でも噛み砕くといわれることに由来する。
伊豆諸島 三重 和歌山
夏