【握り寿司: 赤身】春から初夏にかけて日本列島を北上する鰹は「上りガツオ(又は初ガツオ)」と呼ばれ、うっすらと脂が乗り、すっきりした味わいだ。初ガツオとしては和歌山県の「ケンケンガツオ」、東京八丈島の「樽ガツオ」、千葉勝浦の「引き縄日戻り」などが有名だ。
夏から秋に太平洋を南下する「下りガツオ(又は戻りガツオ)」は、たっぷり脂が乗り、青ネギと生姜を添えて食べると格別だ。秋に回遊の北限である三陸沖からUターンしてくる戻りガツオは、その脂の乗りから「トロガツオ」とも呼ばれる。
また、根付き鰹と言って、ひとつの所にじっとしている魚群がいる。鹿児島の種子島、長崎の壱岐などに見られる。6月ぐらいに食べる根付き鰹のスナズリ部は、メジマグロのトロを思わせるぐらい脂が乗っている。
鮮度が落ちやすいので、寿司タネになったのは昭和に入ってからのこと。鰹の味が濃厚に感じるのは、イノシン酸の他にクレアチンやヒスチジンなどの窒素を含む物質があるからです。
分類:スズキ目サバ科カツオ属
学名:Katsuwonus pelamis
地方名:マンダラ(北陸、北海道)、トックリ(静岡県、小型:東京)、ビンコ(宮崎県)、カチュウ(沖縄県)、スジガツオ(和歌山県、高知県)、マガツオ(高知県、九州地方)、ヤタ、ホンガツオ(長崎県、福岡県)、ヤマトガツオ、スジ(山口県、和歌山県)、カツ(東北地方)、ヤツ(宮城県)カツウ(小名浜)、サンゼンボウ(伊豆)、カツトウ(土佐)、ガラ(薩摩)
魚名の由来:堅い表す「堅し」に、「魚」で、「かたうお」となり、それが転じて「カツオ」になったとされる。