【握り寿司: エビ・カニ】牡丹(ボタン)海老は、寒海の水深200~500mという深海に生息する。水温が高い海域ほど深い所に生息している。かつては北海道の噴火湾以南の太平洋側にも広く生息していたが、現在では、北海道や富山でわずかに捕れるだけとなってしまい、ほとんどロシアやアラスカからの輸入に頼っている。
ボタン海老は、甘海老より甘みがねっとりと濃く、贅沢な味わいだ。身がやわらかいため、つぶさないようにふんわりと握る。青緑色にきらめく卵 (外子)をすしの上に添えたり、卵だけを軍艦巻きにして握る店もある。甘海老と同じく、活ものを食べても美味しくありません。漁獲後、12時間くらい経ってから食べる方が甘みは出て、食感もよくなることを覚えておきたい。
寿司屋でボタンエビと言えば、トヤマエビのことを指す。なにせ入荷が安定しないボタン海老では、営業できないからだ。トヤマエビは富山湾以北の日本海側と北海道沿岸からオホーツク海、ベーリング海までの北太平洋に広く分布する。水深は100~350mの砂泥底に生息している。体長は約20cmです。市場では、ボタンエビとトヤマエビの両方をボタン海老と呼ぶので、非常にややこしい。ちなみに見た目はよく似ていますが、本家のボタンエビには頭に白い斑紋がないのですぐ見分けがつきます。
【ボタンエビの目利き】
殻のオレンジ色の斑点のはっきりしているものがよい。鮮度低下しているものは、黒色や褐色に変色している。
【ボタンエビの基本データ】
分類:十脚目タラバエビ科タラバエビ属
学名:Pandalus nipponensis Yokoya, 1933
地方名:トヤマエビ、キジエビ、オオエビ、トラエビ、ガスエビ、ボタンエビ、タラエビ、シロエビ、ダイエビ
由来:姿が牡丹の花を思わせるぐらい華やかであることから、その名が付いた。
【トヤマエビの基本データ】
分類:十脚目タラバエビ科タラバエビ属
学名:Pandalus hypsinotus Brandt,1851