白身(SHIROMI)

オコゼの握り寿司の画像
鬼虎魚の握り

鬼虎魚の握り

【握り寿司: 白身】オコゼは全長25cm程度。体全体に皮質の突起があり、とげとげしく見える。その上、背びれに毒のある魚でうっかり刺されてしまうと大変です。関東以南の太平洋、新潟県以南の日本海、東シナ海沿岸部の浅い内湾から水深200mくらいまでの砂泥底に生息する。

保護色として生息している所の色に体色が近づきますので、赤や黄色のオコゼも見かける。何より背びれに毒があることが有名です。その棘に刺されると猛烈な痛みに襲われ、腫れあがりますので注意が必要です。調理する時は身体を裏返し、ヌメリで滑らないようにしっかり腹びれを持ち、ハサミで棘を切って置けば安心です。なお切った棘から毒は消えません。

鬼のように醜い魚が名前の由来だ。そんな外見から想像できない美しい半透明の白身は、さらっとした甘さと旨みがにじみ出る一品だ。冬のフグ以上と賞する人も多い。ただし、とてつもない頭でっかちの魚で、すしネタとしてだけ使うとなると、廃棄量が多い。寿司屋で吸い物は、邪道かどうかは別にして、このアラで作った物は絶品です。さっと湯がいた肝や皮の味も捨てがたい。こちらは酒肴に。このようにうまく使える店でないと置いていないことが多い。

【トレビア】
オニオコゼは古くから山の神への供え物にされたり、狩りのときに持参されたりしたが、これは「山の神は嫉妬深い醜女のため、自分より醜いオニオコゼを見ると喜ぶ」という伝承に因る。

薄造りは河豚に匹敵するといわれる。春先から夏にかけて、たくさん獲れるようになるので、旬は夏としている。ただ真冬から春先にかけてで、その時期は脂を蓄えて肝も大きくなり一段と旨味が増すので、この時期を旬とする場合もある。

【オニオコゼの目利き】
体の表面がガサつき、張りがあり、背びれ、腹びれのしっかりしたものがよい。

【オニオコゼの漁法】
一本釣り、底曳網、刺網など

【オニオコゼの基本データ】
分類:カサゴ目オニオコゼ科オノオコゼ属
学名:Inimicus japonicus (Cuvier,1829)
地方名:オクズ(秋田県象潟)、オクジ(秋田県男鹿)、オコジョ(越後)、オコジ(鳥羽)、ツチオコゼ(田辺)、イオコゼ(明石)、オコオジン(広島県)、イジャジャミ(淡路島福良)、ヤマノカミ(伊予川之江)、アカオコゼ(東京都)
名前の由来:「おこぜ」の「おこ」は醜悪なさま、愚かなさまを意味し、「ぜ」は魚の名前の後ろにつく言葉です。

主産地

瀬戸内海 九州

名産地

広島湾