【握り寿司: イカ・タコ】
漁獲量が減少したマダコに代わり、現在、国内で流通するタコの主役となっているのがミズダコです。ゆでたものが流通することの多いマダコに対して、ミズダコは生鮮品として流通するものも多く、刺身や寿司にも使われます。マダコに比べるとやや水っぽいものの、身がやわらかく、シャリとの相性も抜群です。
握りには皮付きでも使えますが、皮を落としたほうがシャリになじみます。また、包丁の刃元を使って身を叩いておくと、食感もよくなります。味付けは醤油よりも、柑橘類と塩がよく合うという寿司職人も多いです。
北海道では、ミズダコやヤナギダコの頭も寿司ネタとして提供されます。タコの頭はスーパーなどでも一般的に販売されています。ミズダコは加熱しても身が硬くなりにくいため、寿司や刺身のほか、たこ焼き、おでん、塩茹で、たこしゃぶ、唐揚げ(タコザンギ)、燻製、塩辛など、さまざまな料理に利用されています。
【ミズダコの生態】
ミズダコは、北太平洋の冷たい海域に広く分布する大型のタコで、日本では北海道から本州北部を中心に、日本海側および太平洋側の沿岸域に生息している。北海道では潮間帯から水深200m前後まで見られ、岩礁域や砂礫質の海底などに生息する。全長は3m以上に達することがあり、タコ類の中でも最大級となる。胴部は卵円形でやや縦長い。8本の腕はほぼ同じ長さで、全長の7~8割に達し、多数の吸盤が並ぶ。体色は赤褐色から褐色系で、周囲の環境や状態に応じて体色や体表の形状を変化させることができる。
【ミズダコの旨み成分】
ミズダコの旨みは、主に遊離アミノ酸によって形成されている。生のミズダコ可食部100gあたりには、タウリンが約1,300~1,500mgと非常に多く含まれ、タコ特有のコクのある味わいの基盤となっている。旨味アミノ酸としては、グルタミン酸が約130~160mg含まれ、穏やかな旨みを与える。さらに、アラニン(約110~140mg)やグリシン(約60~90mg)といった甘味系アミノ酸も多く、噛むほどに広がる自然な甘みと旨みの調和に寄与している。一方、核酸系旨味成分であるイノシン酸はごく少量にとどまり、ミズダコの味わいは魚類のような核酸主体ではなく、遊離アミノ酸主体で構成されている点が特徴である。
【ミズダコの栄養と効能】
ミズダコは高たんぱくで低脂肪・低カロリーの優れた食材で、ダイエットや健康志向の食生活に適しています。100gあたりの栄養価は、たんぱく質が約25〜30g、脂質は約2g以下、エネルギーは約140〜165kcalとされ、ビタミンB12やセレン、鉄、亜鉛、銅、カリウム、リン、マグネシウムなどの微量栄養素も豊富に含まれています。
【ミズタコのトリビア】
ミズダコは茹で上げると色鮮やかな紅白模様になるため、おめでたい料理にもってこいの食材です。古くから赤色には「魔除け」の意味があるとされている上、タコが真っ黒な墨を吐いて敵から逃げる姿も「苦難を煙に巻く」と捉えられるので縁起が良いとされている。また、「多幸」と漢字を当てることができるので、「一年間幸せでいられますように」との願いが込められている。
【ミズタコの漁法】
いさり曳(樽流し)、カゴ漁、箱漁、釣り
【ミズタコの基本データ】
分類:八腕形目マダコ科ミズダコ属
学名:Octopus dofleini (Wülker,1910)
地方名:オオダコ、シオダコ、ブヨダコ、ダブダコ、マダコ(北海道)、ホッカイダコ
由来:真蛸に比べて、身が水っぽいことから、その名が付いた。
(2026年9月12日加筆)
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