【握り寿司: 白身】アイナメは、日本各地、朝鮮半島南部、黄海の沿岸にかけて分布する。全長は40cmになり、岩礁域に生息する。産卵期には雄の体が鮮やかな黄色に変わり、縄張りを作って、雌に産ませた卵を孵化するまで見守る。
全国各地で1年じゅう水揚げがあるが、春から夏にかけてが旬である。秋から冬に産卵期を迎え、その時期は味が落ちる。ただし、三陸産のものは冬も味がよい。
アイナメは、白身らしからぬ濃厚な甘みと脂の旨みがあり、それでいて後味はすっきりしているのだから、文句の付けようがない。鮮度の落ちが早いため、握りで食べられる機会は貴重だ。皮に旨みがあり、焼霜造りにしてもいい。香ばしい香りがプラスされ、より美味しさが増した握り寿司となる。
アイナメを刺身にする時はハモ同様、時には骨切りが必要な場合がある。ただ小骨を切るための骨切りとは意味合いが異なり、この魚の身の締まりの強さ、皮の頑丈さから、身の張りをほどく意味で骨切り包丁が入れられる。さらに湯引きが加わることで、アイナメのもう一つの特徴である皮目の旨さが際立ち、歯触りも軽く、見た目にもふんわりした量感が加わります。
【アイナメの目利き】
体表にヌメリがあるものが鮮度がいい証拠です。また新鮮なものは体の色が濃く、時間の経過とともに褐色が薄くなり、灰色になる。もちろん目が澄み、目の周りが光っているものがいい。ウロコがはげたり傷がついているものも、弱っているので、要注意である。
【アイナメの漁法】
一本釣り、刺網、かご漁など
【アイナメの基本データ】
分類:カサゴ目アイナメ科アイナメ属
学名:Hexagrammos otakii Jordan and Starks,1895
地方名:アブラメ(東北地方、関西地方)、アブラコ(北海道、山形県)、トロロ(播磨)、シジュウ(山形県、新潟県、石川県など)、クロテン(兵庫県)、モミダネウシナイ(広島県、山口県)、モウオ、モヨ(鳥取県)
名前の由来:アユのように滑らかなので「アユナメ(鮎滑)」が転じたとする説と、アユに似ていることから、「アユナミ(鮎並)」が転じたとする説がある。
北海道 青森 茨城 千葉 宮城
春~夏