【握り寿司: エビ・カニ】北海道沿岸から太平洋側では茨城県まで、日本海側では島根県まで分布する。主に水深150mより浅く、水温15℃以下で、砂泥地に生息している。やや縦長で、甲面は短い硬い毛と顆粒で覆われている。甲長は15cm程度です。別名はオオクリガニです。
特有の甘みはエキス分に多く含まれる、グリシン、ベタイン、アルギニンなどのアミノ酸である。エキス分はズワイガニと比べるとやや少ないので、甘みは薄い。またアミノ酸の一種のタウリンを多く含む。
毛ガニは身肉も味噌も美味しい。茹でてそのまま食べても申し分ない味だが、食べるのが面倒だ。身肉を殻から取り出すのが大変。そしてせっかく取り出してもどこか水っぽい。つまりカニ身の握り寿司は物足りないものになってしまう。そこで寿司職人は、ひと手間を加える。まずまるごと茹でた毛蟹を手寧に殻からほぐす。次に、水分を取ってから、蟹の味噌とあえて、カニ身団子を作る。これを握ると、甘みの中にどこか密なコクと柔らかな余韻がある一品に仕上がる。毛ガニだけではなく、ガザミなどにもこうしている寿司屋がある。
【毛ガニの目利き】
生は甲羅の硬いものが良く、ボイルしたものは重いものがよいとされる。
【毛ガニの漁法】
毛ガニ籠など
【毛ガニの基本データ】
分類:十脚目クリガニ科ケガニ属
学名:Erimacrus isenbeckii (Brandt,1848)
地方名:オオクリガニ
魚の名前の由来:甲羅の表面が短く柔らかな毛で覆われていることが名前の由来となっている。