【握り寿司: イカ・タコ】モンゴウイカの正式な名はカミナリイカ(雷烏賊)ですが、一般的には寿司屋も含めモンゴウと呼ばれるイカです。中部以南、東シナ海、フィリピン、タイなどの水深60~100mの砂泥地に生息する。スミイカ(コウイカ)に比べると漁獲量は少な目です。それと大西洋やインド洋で漁獲されるヨーロッパコウイカが、市場ではモンゴウイカの名前で売られていることがある。初夏に漁獲が多くなるが、その頃は産卵期のため身の厚みは薄く、本当の旬は秋です。
名前の由来は雷の鳴るところで多く獲れるところかららしい。又は雷のなる季節が旬であるところから、カミナリイカと呼ばれるようになったといわれる。別名のモンゴウイカは、背面に眼のような模様が多数あることから、「紋のあるコウイカ」という意味で付けられた。かつては東シナ海の底引き網漁でも大量に獲れた。
カミナリイカは、関東ではなじみが薄い寿司ネタだが、西日本ではメジャーな部類で高級寿司ネタの一つである。成長に伴い甘みも旨みも強くなる。味わいは肉厚の割にはふわっとした甘みで後味も上品である。また肉厚であるため、飾り包丁を入れることができ、いい意味で職人が遊べる素材である。ちょっと歯応えが気になる時は、「鹿の子」に包丁を入れると柔らかく食べられる。そして舌のどの部分にとどまるかによって旨みを味わう時間も変わってくる。レモンと塩、白ごまなど、添え物のバリエーションも広い寿司ネタである。
【カミナイイカの基本データ】
分類:ツツイカ目コウイカ科コウイカ属
学名:Sepia (Acanthosepion) lycidas Gray, 1849
地方名:キンチュウモンコ(福井県)、マイカ、モンゴウイカ(山口県、徳島県)
瀬戸内海 九州
秋