【握り寿司: 貝】市場では海松貝(ミルガイ)の名で通っているが、正式名は「ミルクイ」。北海道から九州の内湾の水深10~50mくらいの砂地に棲む。名前の由来は、水管に海藻の海松が付着することが多く、貝が海松を食べているように見えるからと言われている。
貝の中でも最高級と呼ばれるミルガイは、シャキシャキとした歯ごたえとさわやかな潮の香りと瑞々しい甘みがたまらないネタだ。かつては貝の宝庫だった東京湾でも獲れたが、今は全国的に水揚げが少なく、高価な寿司ネタだ。
ちなみに数も少なく高級品となったミルガイ(本ミルとも呼ばれる)の代わりに使われるようになったのが、巨大な水管を持つナミガイ(Keen's gaper or Otter-shell)です。主産地は香川や愛媛で、水管が白いことから白ミルとも呼ばれている。ナミガイの旬は冬だ。それと回転寿司では、アラスカ産のグイダック(Geoduck)をミルガイの代用品として出している所もある。白ミルがキロ単価2000円以下で取引されるのに対し、本ミルはキロ単価2000から3000円で取引される。
【ミルガイの目利き】
外に出ている黒い水管を指で押して、直ぐに動くものは鮮度がよい。足を引っ張って弾力のあるものが良品である。できるだけ生きているものを選ぶこと。
【ミルガイの漁法】
潜水漁
【ミルガイの基本データ】
分類:マルスダレガイ目バカガイ科ミルクイ属
学名:Tresus keenae (Kuroda and Habe,1950)
地方名:ホンミル、オオガイ、ミル、オノカイ、カラスガイ
由来:前述の通り。