貝類(KAIRUI)

ミル貝の握り寿司の画像
海松貝の握り

海松貝の握り

【握り寿司: 貝】市場では海松貝(ミルガイ)の名で通っているが、正式名は「ミルクイ」。北海道から九州の内湾の水深10~50mくらいの砂地に棲む。名前の由来は、水管に海藻の海松が付着することが多く、貝が海松を食べているように見えるからと言われている。貝柱や外套膜を味わう貝は多いが、ミルガイは水管だけが寿司ネタになる。勿論、ヒモや柱も可食部である。

貝の中でも最高級と呼ばれるミルガイは、シャキシャキとした歯ごたえとさわやかな潮の香りと瑞々しい甘みがたまらないネタだ。かつては貝の宝庫だった東京湾でも獲れたが、今は全国的に水揚げが少なく、高価な寿司ネタだ。

ミルガイは寿司や刺身で人気の二枚貝で、その美味しさの秘密は「旨み」にあります。可食部には、旨みの中心となる遊離アミノ酸が豊富に含まれています。100gあたりグルタミン酸約2,300mg、アスパラギン酸約1,600mg、グリシン約1,300mg、アラニン約1,000mg。これらが組み合わさることで、噛むほどにじんわり広がる深い味わいを生みます。特にグルタミン酸とアスパラギン酸の相乗効果で、旨みはさらに濃厚に感じられます。それとグリシンやアラニンの存在がコクや余韻を加え、単なる旨み以上に複雑で豊かな味の層を作ります。こうした遊離アミノ酸の組み合わせが、ミルガイ特有の噛むほどに広がる旨みの秘密です。

ちなみに数も少なく高級品となったミルガイ(本ミルとも呼ばれる)の代わりに使われるようになったのが、巨大な水管を持つナミガイ(Keen's gaper or Otter-shell)です。主産地は香川や愛媛で、水管が白いことから白ミルとも呼ばれている。ナミガイの旬は冬だ。それと回転寿司では、アラスカ産のグイダック(Geoduck)をミルガイの代用品として出している所もある。白ミルがキロ単価2000円以下で取引されるのに対し、本ミルはキロ単価2000から3000円で取引される。

【ミルガイの栄養成分】
ミルガイの可食部100gあたりの栄養成分は、エネルギーが約82kcal、たんぱく質は約18.3g、脂質は約0.4g、炭水化物は約0.3gです。ビタミンB12は約9.1µg、ナイアシンは約4.6mg、鉄は約3.3mg、マグネシウムは約75mg含まれています。さらにカリウム約420mg、カルシウム約55mg、リン約160mg、亜鉛約1.0mg、銅約0.04mg、マンガン約0.16mgと、ミネラルも豊富です。

【ミルガイの目利き】
外に出ている黒い水管を指で押して、直ぐに動くものは鮮度がよい。足を引っ張って弾力のあるものが良品である。できるだけ生きているものを選ぶこと。

【ミルガイの漁法】
潜水漁

【ミルガイの基本データ】
分類:マルスダレガイ目バカガイ科ミルクイ属
学名:Tresus keenae (Kuroda and Habe,1950)
地方名:ホンミル、オオガイ、ミル、オノカイ、カラスガイ
由来:前述の通り。

(2026年1月28日加筆)

主産地

愛知 三重 瀬戸内海

名産地

富津 三河湾

冬~春