白身(SHIROMI)

マダラの握り寿司の画像
真鱈の握り

真鱈の握り

【握り寿司: 白身】世界に約30種とされる鱈のうち、日本にはマダラにスケソウダラ、コマイの3種が生息している。どれも乱獲が原因で漁獲量が減少し、深刻な状態だ。日本では一般的に鱈というと、マダラのことを指す。

マダラはベーリング海、北太平洋、オホーツク海、日本海、関東以北の太平洋に分布するが、それぞれの海域でいくつかの群れに分かれている。また、定着してほとんど回遊しない根付き集団と沖合を移動する回遊集団とがいる。大西洋のマダラはニューファンドランド近海、北海、アイスランド近海、スカンジナビア半島近海に分布し、やはり根付き集団と回遊集団がいる。ノルウェー北部の漁場に来る回遊集団は、他の漁場で漁獲される根付き集団と比べ、血合い肉のミオグロビンの色は強く、明らかに回遊に向く特徴を持つ。

マダラは非常に大食漢だが、その割には身には脂肪が少なく、約8割は水分で、鮮度が非常に落ちやすい。それとスケソウダラの卵巣がタラコとして、マダラの精巣は冬の珍味の白子(菊子とも呼ばれる)として流通している。白子は茹でて、もみじおろしとポン酢で頂くが、みそ汁に入れも旨い。

すしネタに使われるのは、マダラです。軟らかく水っぽいので、そのまま使うことはない。サク取りしたものは、塩で締めてから、昆布に挟んで味と香りを移す。いわゆる昆布締めにしてから使う。それだけタラ自体は淡泊ということである。冷たい海に生息する魚で、最近までの江戸前寿司には決してないネタであった。現在は活〆にして市場に運ばれたものが使われる。

【トレビア】
江戸時代には縁起物として将軍家に献上された。タラの生命力の強さや切っても出血しないことから珍重されたという。

【マダラの目利き】
鮮度落ちが早いので、時間がたつと特有の臭さを発する。鮮度のよいものは、腹に弾力があり、目が澄んでいて、ウロコの黄金色が輝いている。

【マダラの漁法】
底曳網、延縄、刺網など

【マダラの基本データ】
分類:タラ目タラ科マダラ属
学名:Gadus macrocephalus Tilesius,1810
地方名:ポンダラ(北海道)、スイボラ(石川県)、アラ(長崎県)、コボダラ、イボダラ/マイダラ(富山県)、タラ/ヒゲダラ(神奈川県小田原)、エレクシ
名前の由来:雪のように白い肉の魚である。又は、雪の降る冬の季節に大量に獲れることから、その名が付いた。

主産地

北海道 宮城 岩手