【握り寿司: 白身】紅鮭は、標準千島列島から北アメリカ西岸にかけての北太平洋に分布する。体長は90cmに達する。背部は青黒色で、腹部は銀白色である。他の鮭と同じく、河川で生まれて1~3年たつと海に下り、2~3年後には成長して、生まれ故郷の川に戻って産卵する。この生活史を取らず、一生川で過ごす場合があり、それをヒメマスと呼ぶ。ヒメマスは小型成長しても40~50cmにしかならない。
その身肉は鮭類の中で最も赤色が濃く、加熱しても色が褪せない。筋肉質で引き締まった身は、加工や調理でも崩れにくく、風味も濃厚である。アメリカなどでは、特にスモークサーモンやグリル用として需要が高い。そして「ワイルド・サーモン(紅鮭を指す)」は健康にいいというブランドが定着しているのと商業的養殖が行われていない数少ないサーモンのため、サケ・マス類の中で取引価格が最も高価である。
アラスカやカナダなど現地でも、一部の寿司店が握り寿司を提供している程度であり、日本ではほぼ提供している寿司屋はない。かなり昔にはシロザケ・カラフトマス漁で混獲されたものを刺身や寿司として、北海道などで提供していたようだ。
ちなみに極洋が主にマグロの冷凍技術として開発された「超低温冷凍」を、北太平洋のベーリング海で捕獲された紅鮭に転用し、それで生まれた商品に「紅トロ」と名付けものです。アトランティックサーモンやキングーサーモンの脂ののった部位ではありません。
【ベニザケの基本データ】
分類:サケ目サケ科サケ属
学名:Oncorhynchus nerka (Walbaum,1792)
地方名:ベニマス、ホンチャン、ベニ、アカザケ、ベニジャ/カバチェップ(北海道阿寒湖)、カバチェッポ(北海道)、ヒメマス(青森県、秋田県)、サケ(福島県猪苗代)
由来:身の色合いが紅色であるから、その名が付いた。
北海道 アラスカ カナダ ロシア(輸入)
5月~7月