【握り寿司: 魚卵】
アカウニはムラサキウニと同じ海域に生息しているため、漁の際には一緒に獲れることがあります。しかし、アカウニはより深い場所に生息するため、素潜り漁では容易に採捕できません。そのため流通量は少なく、希少で高価なウニとして知られています。
また、主な産地は兵庫県・淡路島の由良(腹側を上にして盛り付ける「逆手ウニ」で有名)、長崎県の壱岐島や平戸、山口県の萩などに限られています。こうした限られた産地から直接仕入れるルートを持つ高級寿司店や料亭でなければ、なかなか口にすることができません。
その味わいは非常に上品で、甘味は穏やかです。一般的なウニに見られる濃厚な旨味とは一線を画し、繊細で澄んだ風味を楽しめます。寿司評論家の 早川光 は、アカウニについて「キュウリの風味がする」と表現しています。実際、それほど苦味や雑味が少なく、爽やかで後味の良さが際立っています。
こうした繊細な風味を生かすため、握り寿司では海苔を使わず、寿司飯の上に直接アカウニをのせることも少なくありません。海苔の香りに頼らずとも十分な存在感があり、アカウニ本来の香りや余韻を堪能できます。
希少性、味わいともに特別な存在であり、寿司店で見かける機会は多くありません。しかし、もし出会えたなら、値段を気にせず一度は味わってみたい寿司ネタの一つと言えるでしょう。
ちなみに、アカウニという名前は、その殻が赤みを帯びた特徴的な色をしていることに由来しています。
【アカウニの生態】
アカウニは、本州中部以南から九州、朝鮮半島南部に分布する暖海性のウニです。潮間帯から浅海の岩礁域に生息し、岩陰や岩の割れ目などを好みます。殻径は5~8cmほどで、高さは2~3cmと低く平たいことから「ヒラタウニ」とも呼ばれます。棘は比較的短く赤褐色で、先端は丸みを帯びています。
【アカウニの基本データ】
分類:ホンウニ目オオバフンウニ科アカウニ属
学名:Pseudocentrotus depressus (A. Agassiz, 1864)
地方名:アカガゼ、オニガゼ
【関連記事】
List of sea urchin producers in Japan
(2026年6月25日加筆)