光り物(HIKARIMONO)

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ハタハタの握り寿司の画像
ハタハタの握り

ハタハタの握り

【握り寿司: 光り物】
ハタハタの身は淡白でクセが少なく、ほのかな甘みがあります。身がほぐれやすく、加熱しても硬くなりにくいことから、焼き物や煮物、鍋料理など、幅広い料理に利用されています。一般に、大きな個体ほど脂がのっている傾向があり、鳥取県では体長20cmを超えるハタハタを「トロハタ」として認定し、2013年に商標登録しています。

こうした食味を持つハタハタは、秋田県をはじめとする地域で、古くから発酵させた寿司や握り寿司にも利用されてきました。寿司ネタとして使われるようになった背景には、漁期が江戸前寿司の主要な材料であるコハダの供給が不安定になる時期と重なることも関係しています。

一方、水分が多く、脂質も含んでいるため、適切に処理しなければ傷みやすい魚でもあります。そのため、鮮度のよいハタハタを入手できる産地では、魚の特性を熟知したすし職人によって、生のまま、あるいは酢締めにして握り寿司に仕立てられます。ほのかな甘みと独特の風味は酢飯ともよく合い、丁寧に処理されたハタハタは、寿司ネタとしても味わい深いものになります。

【ハタハタの生態】
ハタハタは、オホーツク海、島根県以北の日本海、北海道の太平洋沿岸などに分布し、水深100〜500mほどの海底に生息しています。体長は15〜20cmほどと小ぶりで、ウロコがなく、背側には褐色のまだら模様があり、腹側は白いのが特徴です。

かつては秋田県や山形県の沿岸で大量に漁獲されていましたが、産卵のため沿岸の藻場に集まるハタハタを対象とした漁獲が続いたことで、漁獲量は大きく減少しました。現在は鳥取県が主な産地の一つとなっており、韓国からの輸入品も多く流通しています。

鳥取県では、山陰沖を回遊しているハタハタを春に漁獲するため、産卵前の卵を持たない個体が中心です。その一方で、身にはしっかりと脂がのり、とろけるような味わいがあります。

一方、秋田県では、ハタハタは冬の到来を告げる魚として親しまれてきました。日本海の波が荒れ始める11月下旬から12月中旬にかけて、産卵のためにハタハタが群れで沿岸の藻場へ押し寄せます。この時期のメスは腹部に卵をたくさん抱えており、その卵は「ブリコ」と呼ばれます。ブリコは独特の粘りとプチプチとした食感、豊かな風味が特徴です。

【ハタハタの目利き】
目が青く澄んで、体表のヌメリのあるものは鮮度がよい。韓国産のものは全体に大ぶりで黒っぽいので、国産ものと簡単に見分けがつく。

【ハタハタの基本データ】
分類:スズキ目ハタハタ科ハタハタ属
学名:Arctoscopus japonicus (Steindachner, 1881)
地方名:オキアジ(京都府久美浜)、シロハタ(京都府久美浜、鳥取県岩美町浦富)、ハダハダ(秋田県)、ハタ(鳥取県)、シマアジ(新潟県)
魚名の由来:はげしい雷のことをさす古語である「はたたがみ(霹靂神)」に由来するとされています。

(2026年9月21日加筆)

主産地

鳥取 兵庫 秋田

旬

冬(秋田など)春(鳥取など)