【握り寿司: 貝】貝の正式名称は、「ウバガイ」だが、市場では「北寄貝」の名で通っている。貝の成長は遅く、市場に出回る7~8cmサイズになるのに、3~10年も掛ると言う。寿命は長く、30年以上も生きる。東北地方以北の砂地に生息する。北海道沿岸から千葉県の銚子沿岸にかけて分布している。もともとは、江戸前寿司のネタとしては使われていませんでした。東京のすし屋が使うようになったのは、東京湾のすしネタが少なくなってからのことで、比較的最近です。東北や北海道では東京で使うようになる前から使っていました。東北や北海道では定番のネタと言える。肉厚で食べ応えがあり、歯ざわりはシャキシャキしているので、人気が出ている。
すしネタにするのは足の部分。軽く湯に通すと身の先端の黒っぽい色が淡い紫色に変わり、甘みが増す。よく比較されるのが赤貝だ。その香りではかなわないが、甘みと旨みは北寄貝のほうが強い。北寄貝には極上の黒北寄貝(棲息地の底質によって殻の色に違いが生じる)と安価な茶北寄貝があり、もちろん寿司屋で使われるのは、黒北寄貝の方だ。黒北寄貝は、殻の割には身が多いっく、高価です。
北寄貝は、たんぱく質、脂質、糖質を比較的多く含む。ビタミンやミネラルも豊富に含まれている。特にビタミン12、マグネシウム、鉄の含有量は食品の中でトップクラスです。また疲労回復に効果バツグンのタウリンや甘みを呈するアラニンやグリシンなどのアミノ酸をたくさん含んでいる。
ちなみに回転寿司などでは、安価な近似種のナガウバガイ(通称はカナダホッキ)を使っている。その多くはカナダや北アメリカより茹でた物が冷凍流通しているので、本家の北寄貝と比べ味はイマイチだ。ただ足の部分の赤みが鮮やかで、見た目がとても綺麗なので、外食産業で重宝されている。
【ホッキガイの目利き】
触ると殻を固く閉じるものが、新鮮な証拠です。足の紫色の濃いもの、肉質がふっくらしているのがよい。また身が大きめのほうが旨い。
【ホッキガイの漁法】
噴流式ケタ網
【ホッキガイの基本データ】
分類:マルスダレガイ貝バカガイ科ウバガイ属
学名:Pseudocardium sachalinense (Schrenck, 1862)
地方名:ドンブリガイ
由来:アイヌ語の「ポッキセイ」が由来である。