エビ・カニ

桜海老の握り寿司の画像
桜海老の握り

桜海老の握り

【握り寿司: エビ・カニ】桜海老は、体長わずか4~5cmほどの小さい海老です。日中は水深200~300mに生息していますが、夜になると、餌とする動物プランクトンを追って水深20~50mぐらいまで浮上する。遠州灘、相模湾、東京湾にも生息しているが、駿河湾で最も多く獲れる。富士山の雪解け水に含まれる豊富なカルシウムや栄養素、急に海底が深くなる駿河湾の地形が、その理由だという。桜海老は海の中にいる時は無色透明に近いが、光に弱いため、漁獲されるとすぐに桜色になることから、この名が付いた。

桜海老漁の歴史は1894年までさかのぼる。鯵漁に出た漁師が、浮きを流されてしまい海底近くまで沈ずんでしまい、その時偶然に大量の桜海老が獲れたことが始まりとされる。現在、桜海老漁を行っているのは静岡県由比町、蒲原町、大井川町の3漁協です。漁期は春と秋の2回です。産卵期は6~9月で、この時期は資源保護のため禁漁となる。

桜海老は鮮度が命だ。夜、漁獲された物は、翌朝セリにかけられ、直ぐに出荷される。それを河原や海岸、畑一面に広げて天日干しにする。全国的にはこの素干し桜海老が有名だが、地元ならではの食べ方と言えば、生です。近年急速冷凍の技術が発達し、東京の料理屋でも見かけるようになったが、もとは地元の漁師の食べ方だった。

1980年代に東京の寿司屋で、生の桜海老の軍艦巻きが登場した。口に入れると海老の風味と甘みが一気に広がる一品だ。殻は柔らかいので、気にならないが、ネタが強烈な個性を持っており、すし飯に合っているかは少々疑問だ。多くの回転寿司では茹でた桜海老が乗っているので、比較的安価に食べられる。とは言っても海老の風味は濃厚だ。いずれにしても珍しいすしネタですので、見つければ是非食べてみたい。

【サクラエビの漁法】
船曳網漁

【サクラエビの基本データ】
分類:十脚目サクラエビ科サクラエビ属
学名:Lucensosergia lucens (Hansen,1922)
地方名:シンエビ、ヒネエビ、ヒカリエビ
魚名の由来:透明に近い甲殻の中にある赤い色素によって桜色に見えることから、その名が付いた。

主産地

静岡

名産地

駿河湾

3月下旬~6月初旬 、10月下旬~12月下旬