【握り寿司: 白身】
天然のギンザケは北太平洋の北米沿岸などに広く分布し、アラスカやロシアなどから日本にも輸入されています。日本でも北海道などでまれに漁獲されますが、その量は非常に少なく、国内で流通する天然ギンザケの多くは輸入品です。
一方、日本で流通するギンザケの中心となっているのが養殖魚です。国内では宮城県が養殖の中心地で、日本のギンザケ養殖発祥の地でもあり、国内生産量の約9割を占めています。輸入品ではチリ産が非常に大きな割合を占めており、特に2024年上半期には、チリが日本に輸入される冷凍ギンザケの約99%を供給していました。チリ産の養殖ギンザケは、寿司や刺身などの生食用としても利用される一方、おにぎりや弁当など、幅広い食品に利用されています。
天然のギンザケは、アラスカなどでは寿司や刺身にも利用されています。比較的脂がのっている一方、キングサーモンやベニザケなどに比べて風味は繊細で穏やかで、きめ細かく締まった身質とのバランスが特徴です。これに対して、「みやぎサーモン」は非常に脂の乗りがよく、甘味とうま味が豊かで、とろけるような食感が特徴です。鮮度保持処理によって高い鮮度を保ち、冷凍せずに生食できることから、握り寿司のネタとしても利用されています。近年では、大手回転寿司チェーンに加え、宮城県内の寿司店などでも提供されています。
日本のギンザケ市場では、チリなど海外からの輸入養殖魚と、宮城県を中心とする国産養殖魚が流通しています。特に円安によって輸入水産物の調達コストが上昇する中、国産養殖ギンザケを寿司などの生食用として活用することは、国内の養殖業を支えるうえでも重要になっています。一方、今後、円高によって輸入品の価格競争力が高まれば、宮城県をはじめとする国内のギンザケ養殖業者にとって厳しい環境となる可能性もあります。
【2026年のギンザケ大量水揚げ】
日本の近海ではめったに獲れない貴重な天然ギンザケが、2026年の夏以降、北海道の定置網で相次いで大量に水揚げされ、漁業者や市場関係者から驚きの声が上がっている。8月中旬ごろから知床半島周辺でまとまって獲れ始め、その後、9月上旬ごろからは北海道東部の定置網にも大量に入るようになった。
根室市の歯舞漁港では、1つの定置網から100匹以上のギンザケが獲れることもあり、販売担当者からは「過去にほとんど例がないほどの多さ」と驚きの声が聞かれる。
【ギンザケの生態】
天然のギンザケは、中部以北の日本海、カムチャッカからカリフォルニアにかけての北太平洋に分布する。北海道北部の河川でごくわずかに遡上する例もあるが、日本の河川への回帰はほとんどない。体色は背側が青緑色、腹側が銀白色で、背部に小さい黒点が点在する。体長は70cm以上になる。
【ギンザケの基本データ】
分類:サケ目サケ科サケ属
学名:Oncorhynchus kisutch (Walbaum,1792)
地方名:ギンマス/ケイジ(北海道)、チリギン、ギン、ボタンコ(秋田県男鹿)、アマメ(富山県)
由来:体色が光り輝く銀白色であることから、その名が付いた。
栄養成分:DHA890mg、EPA310㎎
(2026年8月22日加筆)
アラスカ カナダ ロシア
秋~冬