【握り寿司: 白身】鮮やかに紅色の体に、大きな金色の目が特徴だ。水深200m以上の深い海に生息するため、漁業技術が未発達だった頃には、ほとんど獲れなかった。脂の旨みが魅力で、20年前ぐらいから人気ネタに仲間入りした。体長は3年で30cm、最大で60cmほぢに成長し、寿命も10年以上と長い。
鯛とは名前が付くが、真鯛にはまったく関係のない深海魚だ。身が水っぽく昔は下魚の代表が、それが手間を掛ける江戸前の仕事によって今や高級魚の仲間入り。何よりシャリ(酢飯)との相性が良く、万人受けするネタだ。
ただ、白身の中でも、脂が多いネタです。脂は多ければ多いほどよい訳ではない。脂がしつこさやベタつきにならないよう、仕込みで余分な脂を取り除いてから握ることになる。具体的には昆布締めや軽く炙る工程を入れる。炙ると言っても、香ばしさを出すのではなく、脂を浮かせ、浮いた脂を拭き取ります。こうすることで程よい脂のおいしさに変化する。
【キンメダイの目利き】
海を泳いでいる時は体色は淡い赤だが、死んでから鮮やかな紅色に変わる。ただ、鮮度が落ちてくると紅色がさめてくる。そして目が澄んでいて、金色に輝いていれば新鮮な証拠である。目が金色に輝くのは、網膜にタペータムと呼ばれるグアニンなどからなる光の反射層を持っているためである。成魚は50cmくらいまで成長するが、最も美味しいのは30cmぐらいのものである。
【キンメダイの漁法】
一本釣り、延縄、曳き縄など
【キンメダイの基本データ】
分類:キンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属
学名:Beryx splendens Lowe,1834
地方名:キンメ(関東)、マキン、カゲキヨ、ギメンダイ、ギンメダイ、カゲキヨ(尾鷲)、アカギ(神奈川県三浦)、マキンメ(神奈川県小田原)、アカギギ(和歌山県)、カタジラア(沖縄県)、アコウダイ(新潟県)、ギンメ/オチョコアゴナシ(富山県)、シウジウダイ(福井県敦賀)、デンデン(静岡県沼津)、マイマイ、アオダイショウ(高知)
魚名の由来:形が鯛に似ており、そして黄金色に光る大きな目を持っていることに由来する。