白身(SHIROMI)

シマアジの握り寿司の画像
縞鯵の握り

縞鯵の握り

【握り寿司: 白身
シマアジは、アジ科の魚の中で最も美味であり、夏のすしネタや刺身に欠かせない高級魚だ。一般のスーパーでは見かけることはなく、寿司屋や料亭で消費される。

夏の時期の天然の縞鯵は淡く上質な脂がのっていて、歯ごたえも素晴らしい。肉質は一般的なアジのような軽やかな味わいというより、旨みと甘みがあり、ブリ類を思わせる味わいが感じられる。見た目も味も清涼感溢れた夏らしい一品だ。大きなもので1m、体重10kgになり、この大きさになると別名「オオカミ」と呼ばれている。ただし大きさは1~2kg前後が美味しいとされる。一匹1~2万円の値がつくことがある。

東京の寿司店、とりわけ江戸前寿司では、シマアジはブリ、カンパチ、ヒラマサと並ぶ高級魚の中でも、とりわけ評価の高い寿司ネタの一つとされています。その背景には、食味だけでなく、産地、流通条件、さらには江戸前寿司が重視する身質や季節性など、複数の要因が関係しています。

最大の要因の一つは、八丈島、神津島、三宅島などの伊豆諸島が日本有数の天然シマアジの漁場であり、漁獲された魚が鮮魚として豊洲市場に集まりやすい流通体制が整っていることです。また、シマアジは適度に熟成させることで旨味が増し、食感を保ちながら、より上品な味わいを楽しめます。初夏から夏にかけて脂ののりと身質が良くなることから、冬のブリに対する「夏の高級魚」としての地位を確立しています。

一方、ブリは冬季には最高級魚として扱われますが、その評価は主にこの時期に集中しており、季節性の強い魚です。カンパチは養殖魚の流通量が多く、年間を通じて品質が安定している一方、天然物の希少性という点ではシマアジに及びません。ヒラマサは締まりのある身質が特徴ですが、一般に寿司ネタとしてはシマアジに比べて脂が少なく、味わいもやや淡泊です。

最後に、残念ながら市場に出回る99%が養殖物(大分産や愛媛産など)である。高級店以外の東京のすし店で、天然物として出されるシマアジも蓄養物が多いはずです。一方、回転寿司などで縞鯵として出されているものの多くは、ニュージーランドから空輸された天然物だが、縞鯵の亜種(ギンガメアジ、カスミアジ、オニヒラアジ、コガネシマアジ、ロウニンアジなど)である。それらはシマアジに比べると脂がなく、味わいに欠ける。

【シマアジの生態】
縞鯵(シマアジ)は、日本では北海道南部から沖縄まで広く分布し、世界では東部太平洋を除く暖温帯から熱帯の海域に広く分布しています。沿岸の岩礁域や島周辺を好み、水深20〜200mほどの中・下層に生息します。

体は強く側扁した紡錘形で、成魚は全長80〜100cm、体重10kg前後まで成長します。背側は青灰色から青緑色、腹側は銀白色を呈し、体側には金属光沢があります。若魚の体側中央には鮮やかな黄色の縦帯が見られますが、成長とともに次第に不明瞭になります。

「シマアジ」という名前の由来には諸説あり、伊豆諸島など島周辺に多く生息することから「島鯵」と呼ばれるようになったという説と、若魚の体側に見られる黄色い縦縞に由来するという説が知られています。

シマアジの幼魚は流れ藻に身を寄せながら表層で生活しますが、成長すると沿岸の岩礁域や島周辺の水深数10〜200mほどへ移ります。春から夏にかけて北上し、秋から冬にかけて南下する季節回遊を行い、群れを作って小魚やイカ、エビやカニなどの甲殻類を捕食します。

【シマアジをおろすときのポイント】
三枚おろしが基本で、骨組みが鯛に似ているため、鯛の三枚おろしに準じておろす。骨はけっこう硬く、ゼイゴはあるがそれほど神経質にならなくてよい。刺身にする部分を最優性しておろすので、頭や中骨は身を残さずにぎりぎりのところで外す。煮る調理に向かない魚だが、中骨やすだれ骨のアラは塩を振って臭いを抜き、いったん焼いて揚げれば食べることができる。エラも同様である。内臓は甘辛く煮ても美味しい。カマは塩焼きや椀物がオススメである。

【トレビア】
鯵類でもっとも美味とされ、高級魚として料亭などで扱われることが多いが、江戸時代の料理書「黒白精味集」では、コイや鰹よりも評価が低い下魚に格付けされている。

【シマアジの目利き】
背の青色と体側の黄色の帯が鮮やかなものが新鮮な証拠だ。アジ科の魚の特徴である尾びれ手前のゼイゴは、マアジの半分くらしかない。

【シマアジの漁法】
釣り、定置網、刺網など

【シマアジの基本データ】
分類:スズキ目アジ科シマアジ族
学名:Pseudocaranx dentex(Bloch and Schneider,1801)
地方名:オオカミ(老成魚:東京都)、カツオアジ/カツン(鹿児島県)、カマジ(鹿児島県奄美大島)、コセ(和歌山県)、コセアジ(高知県)、ソイ/ソジ(和歌山県)、ヒラアジ(熊本県)、ソウジ(沖縄県)、シマイサギ、アブラカマジ(奄美)、オーガシ
魚名の由来:体側に縦縞があることから、縞鯵となった。伊豆諸島などの島部で多く獲れることから、島鯵となったなど。

(2026年8月8日加筆)

主産地

千葉 高知 九州

名産地

宿毛(すくも) 伊豆諸島 勝浦 勝山

夏~秋