エビ・カニ

甘海老の握り寿司の画像
甘海老の握り

甘海老の握り

【握り寿司: エビ・カニ】その名の通り、上品な甘みが身上の甘海老。実は甘海老という名は通称で、本当の名前は、「ホッコクアカエビ (Alaskan pink shrimp)」という。甘海老は富山湾から北の日本海沿岸や北海道沿岸に分布している。日本海沿岸地域では「南蛮エビ」もしくは単に「南蛮」とも呼ばれる。体長は10cmほどで、約1000mまでの深海に生息し、産卵は2年に一度。秋から冬にかけて旨みが増し、1~2月が抱卵期となる。この時期は青緑色の卵 (外子)も一緒に味わいたい。エメラルド色に輝く見た目とそのプチプチとした食感にファンも多い。

甘みの成分はアミノ酸の一種グリシンが主体である。ねっとりしているのは、糖(水溶性)たんぱく質が多いからです。興味深いことは、甘海老は突出してグリシンが多いわけはなく、他のエビと大きな差はない。しかし他のエビより糖(水溶性)たんぱく質が多く、ねとっりしていることで、甘味の口内滞留時間が長くなることのが理由のようです。また、水分が多いので茹でると身肉が小さくなり、食感はあまりよくない(糖たんぱく質が加熱変性し、役割を果たさないためと考えれれる)。よって、生で山葵醤油にして刺身で食べるか、生をすしネタとして握って食べることになる。

輸入物の安い冷凍甘海老(ホンホッコクアカエビ:Deepwater prawn)が市場に出回っており、主にロシア、カナダ、グリーンランドから輸入してくる。回転寿司に使われるのはこの冷凍物で、一度中国などで加工のために解凍するため、日本で獲れた生と比べると味はかなり落ちる。

【アマエビの目利き】
身がところけるように甘いものは、実は冷凍輸入品で鮮度も良くない。鮮度がいいものは身がしまっていて、甘みも上品である。天然物は卵が青い方が鮮度がいい。鮮度が落ちると黒くなる。

【アマエビの基本データ】
分類:十脚目タラバエビ科タラバエビ属
学名:Pandalus eous Makarov,1935
地方名:ナンバンエビ、アカエビ、コショウエビ、トンガラシ
由来:身肉が甘いことから、その名が付いたようだ。

主産地

北海道 石川

名産地

増毛

晩秋~冬