貝類(KAIRUI)

トコブシの握り寿司の画像
床伏の握り

床伏の握り

【握り寿司: 貝】トコブシは関東以南の各沿岸の岩礁帯に生息する。殻長は7cm、殻幅は5cmになる。伊勢、志摩、安房が名産地である。海女が素潜りし、磯の岩場にへばりつているものを獲る。

磯香が強くアワビに似た味わいだが、アワビに比べると、身肉が小さく薄い分見劣る。一般に生で食べることはなく、煮たり、蒸したりする。熱を加えるとアワビより味が濃厚と評するすし職人も多い。アワビの吸水孔が4~5個と少なく管状なのに対して、トコブシのそれは6~9個と鮑より多く、穴も大きい。

蒸し貝に向くアワビは夏が旬であるのに対して、トコブシは逆に冬が旬で、アワビに代わる冬の蒸し貝として使われる。ただし、漁獲量が減り、アワビ同様高値になっているので、扱う店は少ない。

【トコブシの目利き】
身をつついて、動くなら新鮮である。身がべったとせず、盛り上げているものを選ぶこと。

【トコブシの基本データ】
分類:古腹足上目ミミガイ科トコブシ属
学名:Sulculus diversicolor supertexta (Lischke,1870)
地方名:ナガレコ(徳島県)、コブク(静岡県)、トコセブ(愛知県)、ナガレメ、アナゴ、アナゴウ
貝名の由来:常に海の底にある岩床に張り付きしているように見えるから「床臥」または「床伏」「常節」となった。

主産地

三重 千葉