【握り寿司: 赤身】キハダは熱帯海域の45m以浅の表層を中心に生息し、稀に水温が急に低くなる層、すなわち水温躍層を越えて80mくらいまで潜行するが、直ぐに暖かい表層へ浮上する。主な漁場は赤道を挟んで南北25度の海域となり、北大西洋のニューヨーク沖、南大西洋のアンゴラ沖、インド洋のソマリア沖とジャワ島などが好漁場としてよく知られている。生鮮ではインドネシア、タイ、台湾、パプアニューギニア、スリランカなどから輸入され、冷凍では台湾、韓国、フィリピン、バヌアツ、アメリカなどから輸入される。
和名は、キハダ。肌が黄色いのでこの名が付く。体長は、1.5mほど。体重は50~100kgぐらい。日本には近海で漁獲されたものは冷却保蔵されたり、鮮魚のまま水揚げされ、遠洋で漁獲されたものは冷凍状態で入ってきます。漁獲量はマグロの中で一番多く、ツナ缶などの材料としても重要だ。身はトロに当たる部分がなく、脂肪が少ない。それゆえさっぱりと上品な味わいなので食べ飽きがないのが魅力。ハワイでもアヒと呼ばれて人気ネタです。またあっさりした味を好む大阪で単に「鮪」と言えば、黄肌鮪を指す。成長によって呼び名を変え、体長60cm、重量20kgの中型のものをキメジ、40kg程度のものを小キハダと呼ぶ。
旬は夏で、夏場の刺身としては、メバチとともに、クロマグロよりも珍重される。またクロマグロやミナミマグロほど脂が濃くなく、身の色も薄い桃色であるが、赤身のマグロの中では、もっとも色持ちがいい。呈味成分としては、ヒスチジンが100g当り1220mgと、マグロ類の中で最も多く、その他、アンセリン、カルノシンなどの含量も高い。
【キハダの基本データ】
・分類:スズキ目サバ科マグロ属
・学名:Thunnus albacares (Bonnaterre,1788)
・地方名:キワダ(東京都)、キハダマグロ(東京都)、ゲスナガ(静岡県)、イトシビ(和歌山県)、ビンナガ(和歌山県)、シビ、マシビ(大阪府)、バシ(大阪府、高知県)、キメジ(千葉県、神奈川県)、コイト(紀州)、ホンバツ(高知県)、ピンキリ(宮崎県)、ウキンシビ(奄美)、アカシビ(沖縄県)
【他産地】
四国(4~6月)、九州(3~6月)、焼津(3~6月)、三崎(3~6月)
【漁法】
メバチと同じ赤道海域に生息するため、キハダ3、メバチ7の割合で一緒に漁獲される。漁法は延縄漁法である。近海・生はほんのわずかであり、定置網などで漁を行っている。
*標準名がキハダなのに、ご丁寧にキハダマグロと呼ぶ人がいる。
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