【握り寿司: 赤身】和名は、ビンナガ。ビンチョウマグロとも呼ぶ。マグロ類の中でも最も小型で体長は1.2メートルほど、体重は40㎏位になります。ビンナガは世界中の温暖海域に分布する。加工品としての消費が多く、ツナ缶詰の材料として食されてきた大衆的なマグロです。市場ではビンナガの長い胸ビレをトンボの長い羽根に見立てて「トンボ」と呼ぶ人が多い。
すしネタとしてはまったく使われない魚だった。しかし回転寿司でこのネタが使われ、人気が爆発。特に、「ビントロ」は、日本では人気のネタになった。
ビンチョウマグロの赤身は、メバチマグロのそれより色が薄い。つまり脂肪分が少ない。逆にトロの部分は舌の上でとろけるほど脂肪分がたっぷりだ。三陸沖では9~11月頃、脂の乗ったビンナガマグロが漁獲されるが、特にこの時期に獲れたものを「トロビンチョウ」と呼ぶ。
日本屈指の生マグロの産地である那智勝浦では「もち備長」と言う名でビンチョウマグロのブランド化が進められている。もち備長とは、近海のはえ縄漁で獲れたビンチョウマグロの中から100本に数本の割合で厳選された上質なマグロのことです。最大の特徴は、「もちっ」とした食感と粘りを持つことである。それとピンク色の身色が桜を連想させることから、春の訪れと共に味わうマグロとして地元では『サクラビンチョウ』などと称されている。
【ビンチョウマグロの漁法】
竿釣、曳縄、流し網、巻網(若齢魚)、まぐろ延縄、竿釣(成魚)
【ビンチョウマグロの基本データ】
・分類:スズキ目サバ科マグロ属
・学名:Thunnus alalunga (Bonnaterre,1788)
・地方名:ビナガ/ビンチョウ(宮城県)、ビンナガマグロ、カンタロウ(三重県)、カンタ、カスシビ/カンタロウ(三重県)、トンボ、トンボシビ(関西、高知県串本)、ビンチョ(高知県室戸)、ビンナガ、トンボ(室戸岬)、ヒレナガ(福岡県、富山県)、ハニシビ(沖縄県)、トンビ(千葉県銚子)、シビ(福岡県、沖縄県)
・由来:長い胸びれが鬢のようにに見えることから、その名が付いた。
【他産地】
金華山沖(9~11月)、北海道(9~11月)、焼津(9~11月)