貝類(KAIRUI)

黒鮑の握り寿司の画像
黒鮑の握り

黒鮑の握り

【握り寿司: 貝】黒鮑は生で食べると鮑類の中で最も味がよいとされ、すしネタとしても生のまま使うことが多い。昆布などの海藻をたくさん食べ、海の恵みが凝縮された身は、生食ではコリコリとした食感が特徴。何より口に含んだ時の磯の香りが、なんともたまらない。蒸した身はこの上なくうまみが増して、程よい弾力と噛むほどに身からジューシーな煮汁が溢れだす一品だ。多くの貝類が冬から春に旬を迎えるが、黒鮑の旬は夏です。夏場、グリコーゲンを蓄えた身は絶品です。グリコーゲン自体は、無味無臭だが、旨み成分であるグルタミン酸やアデニル酸と一体となるとコクが増す性質があり、黒鮑は元来持つ旨みが増加する。それにグリシンやベタインによる甘みも加わって、巻き貝の中で最も美味しい。

貝類は大きい方が美味しい。でも寿司ネタは味の良さはもちろんのこと、色の美しさ、すっきりとした切り口の美しさ、切りつけたネタの形の美しさも大切である。店によって、大きければ大きいほどいいわけではない。

ちなみに日本で食されているアワビは、黒鮑、雌貝鮑、蝦夷鮑、真高鮑、トコブシの5種類です。生食には黒鮑や蝦夷鮑が向き、蒸し鮑には、真高鮑と雌貝鮑が向きます。生食のコリコリした歯ごたえは、コラーゲンやエラスチンという硬タンパク質によるものです。酒蒸しにするとコラーゲンは柔らかいゼラチンに変化するので、肉質が柔らかくなります。

輸入物では、オーストラリアやカナダから黒鮑が入ってくるが、国内産に比べると味あいに欠ける。回転寿司では、ロコ貝、ラパス貝、アカネアワビという黒鮑もどきが使われることもある。因みに房州の黒鮑は、キロ単価20000円以上もする。

【アワビの仕込み方法】
アワビへの火の通し方は、いくつかあります。いずれもアワビが柔らかくなり、旨みや香りを最大限引き出すようにする。煮鮑には、酒で煮る酒煮や醤油などを加えた醤油煮がある。また蒸し器などを使う蒸し鮑でも、酒蒸しにしたり、塩蒸しにしたり、調味料を使わずに蒸したりとさまざまである。酒を加えるのは酒の旨みが鮑に浸み込み、臭みを抑えて、さらに歯応えを残しつつ、柔らかい食感を引き出すためです。余談ですが、寿司店では煮込んで柔らかくしたものも、蒸し鮑と呼ぶ習慣がある。正確には煮鮑である。

【アワビの漁法】
海女による潜水漁、のぞきガラスを使用して行うあわび鈎漁、アワビ挟み漁、アワビ掬い漁、アワビ籠漁など

【クロアワビの基本データ】
分類:古腹足目ミミガイ科アワビ属
学名:Haliotis (Nordotis) discus discus Reeve,1846
地方名:オン、クロ、オンガイ、アオガイ
由来:見た目が黒っぽいので黒鮑と呼ばれた。

主産地

宮城 千葉 三重

名産地

大原