【握り寿司: 煮もの】アサリは、北海道から九州、朝鮮半島、フィリピン、台湾に分布している。主に内湾潮間帯から水深メートルまでの砂泥地に生息している。殻長は約4cmです。殻は卵型で、外側は布目状でザラザラしていて、その模様は個体変異が著しい。一生ほぼ同じ場所で過ごし、ハマグリのような顕著な移動性はない。和名は、その昔、海辺に行くと手軽に漁り(いざり)取ることができた。いざりが転訛していき、あさりになった。また浅い場所に生息するからアサリなど、諸説ある。
主な産地は、愛知県や北海道などである。旬はグリコーゲンやコハク酸が増加する春と秋の2回です。殻付きの物は、斧足がよく動き、生きているものを選ぶこと。口が開かず、殻が茶褐色に変色しているのは死んでいる場合が多い。
国内産のアサリは、年間10.000にも満たない。そこで中国から25.000トン前後、韓国から10.000トン前後のアサリがここ数年輸入されている。そして食品偽装の中心的な存在であり、度々問題を起こしている。その原因は、輸入してきた稚貝を数週間、浜辺で育てることで、その浜産として出荷される制度にある。
アサリを剥き身にして、醤油などであっさり煮て、熱いご飯に汁ごとかける深川丼は、東京の名物料理である。日本中の居酒屋などでは、アサリの酒蒸しが定番メニューである。そして保存食としての浅蜊の佃煮も有名である。ボンゴレと呼ばれるアサリなどを使ったイタリアののパスタ料理も有名だ。
握りにする時は、ハマグリより小ぶりなため、軍艦巻きなどにして、3~5個載せる。基本的な味つけは煮ハマと同じである。当たり前の話だが、熱を加える時に固くならないようにするのが重要である。
砂を吐かせなければならないなど面倒な仕込みがあるので、あまり見かけない寿司ネタである。噛みしめると、アサリの濃厚なエキスがにじみ出し、何とも言えない至福の時を感じる絶品のネタと言える。蛤より貝の風味を強く感じはずだ。
【アサリの目利き】
足を出して、よく動くものを選ぶ。むき身は身が張って弾力のあるもの、艶のあるものが新鮮である。また、潮の匂いがすることも鮮度がよい証拠である。
【アサリの蘊蓄】
かつては雛のの節句(3月3日)を過ぎたら、中秋の名月までは、食中毒の心配があるので食べないと言われていたが、現在は通年で出回っている。
【アサリの漁法】
腰巻き、大巻、じょれん曳き
【アサリの基本データ】
分類:マルスダレガイ目マルスダレガイ科アサリ属
学名:Ruditapes philippinarum (Adams and Reeve,1850)
地方名:コガイ、イソモ、アズマウタタ、ベニササリ、ヤマブキ、シラキジ、カノコ
由来:上記の通り