【握り寿司: 煮もの】
アサリを握りにする場合は、ハマグリより小ぶりなため、3〜5個ほどを載せて軍艦巻きにするか、身をシャリに直接載せて握る。基本的な味付けは煮ハマと同じで、酒、醤油、みりんなどで甘辛く煮る。もっとも、熱を加えた際に身が固くならないようにすることが重要である。そのため、軽く火を通した後に煮汁に浸しておき、じっくりと味を含ませる。「煮る」というよりも、「煮汁に浸しておく」という認識のほうが適切である。
砂抜きなど手間のかかる仕込みが必要なため、アサリの寿司はあまり見かけないネタである。しかし、噛みしめるとアサリの濃厚な旨味が口いっぱいに広がり、何ともいえない幸福感を味わえる絶品のネタといえる。ハマグリに比べても、より強い貝の風味を感じるはずだ。
東京では、アサリの寿司を提供する寿司店は少ない。その背景には、アサリの漁獲量が減少し、安定した仕入れが難しくなったことに加え、煮ハマグリと調理法や味わいが似ていることも関係していると考えられます。
アサリは寿司だけでなく、さまざまな料理にも使われる。むき身にしたアサリを醤油などであっさりと煮て、熱いご飯に汁ごとかける深川丼は、東京の名物料理として知られている。また、日本各地の居酒屋ではアサリの酒蒸しが定番料理として親しまれており、保存食として作られるアサリの佃煮も有名である。さらに、アサリなどの二枚貝を使ったイタリアのパスタ料理、ボンゴレも広く知られている。
【アサリの生態】
アサリは、北海道から九州、朝鮮半島、フィリピン、台湾に分布している。主に内湾潮間帯から水深メートルまでの砂泥地に生息している。殻長は約4cmです。殻は卵型で、外側は布目状でザラザラしていて、その模様は個体変異が著しい。一生ほぼ同じ場所で過ごし、ハマグリのような顕著な移動性はない。和名は、その昔、海辺に行くと手軽に漁り(いざり)取ることができた。いざりが転訛していき、あさりになった。また浅い場所に生息するからアサリなど、諸説ある。
主な産地は、愛知県や北海道などである。旬はグリコーゲンやコハク酸が増加する春と秋の2回です。殻付きの物は、斧足がよく動き、生きているものを選ぶこと。口が開かず、殻が茶褐色に変色しているのは死んでいる場合が多い。
国内産のアサリは、年間10.000トンにも満たない。そこで中国から25.000トン前後、韓国から10.000トン前後のアサリがここ数年輸入されている。そして食品偽装の中心的な存在であり、度々問題を起こしている。その原因は、輸入してきた稚貝を数週間、浜辺で育てることで、その浜産として出荷される制度にある。
【アサリの目利き】
足を出して、よく動くものを選ぶ。むき身は身が張って弾力のあるもの、艶のあるものが新鮮である。また、潮の匂いがすることも鮮度がよい証拠である。
【アサリの蘊蓄】
かつては雛のの節句(3月3日)を過ぎたら、中秋の名月までは、食中毒の心配があるので食べないと言われていたが、現在は通年で出回っている。
【アサリの漁法】
腰巻き、大巻、じょれん曳き
【アサリの基本データ】
分類:マルスダレガイ目マルスダレガイ科アサリ属
学名:Ruditapes philippinarum (Adams and Reeve,1850)
地方名:コガイ、イソモ、アズマウタタ、ベニササリ、ヤマブキ、シラキジ、カノコ
由来:上記の通り
栄養成分:100gのカロリー49kcal。
(2026年9月17日加筆)