白身(SHIROMI)

マスノスケの握り寿司の画像
鱒之介の握り

鱒之介の握り

【握り寿司: 白身
標準和名は鱒之介(マスノスケ)で、一般には「キングサーモン」の名でも知られています。サケ類の中でも特に大型であることから、「マスの王様」という意味合いを持つ名前です。

キングサーモンは、北半球の非常に長く、流れの荒々しい河川へ遡上する生活に適応して進化してきました。産卵のために数百kmにも及ぶ長い旅を成し遂げるため、身は厚く発達し、他のサケ類に比べて脂肪を多く蓄えるのが特徴です。とりわけ母川までの旅が長い個体ほど、長距離の遡上に備えて多くの脂肪を蓄えます。こうした特殊な環境に適応してきたことから、キングサーモンはサケ類の中でも希少な魚とされ、その希少性(世界全体のサーモンの0.1%以下)も相まって、世界各地で高級食材として扱われています。

寿司ネタとしてのマスノスケは、脂の甘味やとろけるような身質に加え、独特の香りと旨味を持つのが魅力です。すし職人は、こうした個性を見極めながら熟成や漬けなどの仕事を施し、その持ち味をさらに引き出します。特に国産天然のマスノスケは入荷自体が少なく、希少性の高さも寿司ネタとしての価値を高めています。

そのため東京では、マスノスケを常時扱う店は限られ、一部の高級寿司店でしか味わえない魚と言ってよいでしょう。鮨はしもと、鮨桂太、すし㐂邑などでは、タイミングが合えば出会える可能性があります。

【マスノスケの生態】
マスノスケ(キングサーモン)は、アラスカからカムチャツカ半島にかけての北太平洋を中心に、オホーツク海、日本海北部などに分布する。成魚は比較的水温の低い海域に生息し、成熟すると産卵のため河川を遡上する。日本沿岸には春から初夏にかけて来遊しますが、日本では自然繁殖しないとされています。

成魚は通常80~90cm程度ですが、1.5mを超える大型個体も確認されています。海洋では背部が青緑色から青黒色、体側は銀白色、腹部は白色で、背部や尾びれに黒い斑点があります。

日本で流通する天然物の多くは、カナダやアメリカなどから輸入されています。一方、養殖も盛んに行われており、早くからキングサーモンの養殖に取り組んできたニュージーランドは、現在、世界の養殖キングサーモンの約70%を生産する最大の生産国となっています。これに続く主要な生産国としてチリやカナダなどがあり、米国やオーストラリアなどでも養殖が行われています。

【マスノスケの基本データ】
分類:サケ目サケ科サケ属
学名:Oncorhynchus tschawytscha (Walbaum,1792)
地方名:オオスケ、スケ、ラシャ、ラシャマス
名前の由来:「スケ」はサケ(マス)の大きいものをいう言葉で、その名が付いた。

(2026年8月21日加筆)

主産地

北海道

春~初夏