白身(SHIROMI)

太刀魚の握り寿司の画像
太刀魚の握り

太刀魚の握り

【握り寿司: 白身】北海道以南の日本各地沿岸の水深100~200mの陸棚域に生息している。体は著しく薄く、まるで刀のようです。後部は徐々に細くなり、紐状で終わる。体は銀白色で体表に鱗はありません。つまり見た目が銀色に光っているので、光り物に分類されると思われますが、身肉は白いので、白身に分類されます。全長は1.3m以上になる。日中は主に深場に住み、夜間になると浮上し、捕食が活発になる。太刀魚の休息時の姿は大変ユニークで、頭を上にして立ち泳ぎをする。しかし、全力で遊泳する時には水平で泳ぐ。

白身にしては脂質含量は6%と多い。脂質の脂肪酸組成は、一価不飽和脂肪酸が多価不飽和脂肪酸の2倍もあり、珍しい構成脂肪酸である。そのため脂が多くても、しつこさを感じさせない。

皮つきで握るか、皮を引くかで味わいが違う。銀色の皮全体に味があり、産地ではこれを大切にしている。ただ大型の皮は固く、好みの分かれるところ。そのためか最近、皮を炙って握ることが多くなっている。大型で脂の乗った旬のものは、最上級のすしネタで、値段も特上だ。

【トレビア】
外見の特徴から、鎌倉時代の武将が太刀を海に投げたところ、太刀が魚に化けたという伝説が残っている。また「大日本魚類画集」の解説文には、暗い海底から浮上してくるタチウオの姿が白刀を持った平家の幽霊だと信じられていたとの記述がある。

【タチウオの目利き】
購入する時は、他の魚を同様、眼の水晶体が澄み、手で触れた時に魚体が板のように固く張っている物、表皮の銀がはげ落ちていない物が新鮮である。体長が1m前後、重さ600g程度の中ぶりの物が、脂、味ともにのって旨い。大型の物は遠洋産の物が多く、近海物よりも大味である。小型の物は、脂肪が少なく、うまみに欠ける。

【タチウオの漁法】
一本釣り、延縄、曳縄釣り、底曳網、刺網など

【タチウオの基本データ】
分類:スズキ目タチウオ科タチウオ属
学名:Trichiurus lepturus Linnaeus,1758
地方名:タチ、シラガ(新潟県)、タチノウオ(東京)、タチオ(新潟県、和歌山県、兵庫県、鳥取県、高知県)、タチンジャ(沖縄県)、ハクウオ(宮城県)、サアラベ/サワベル(福島県)、ハクナギ(宮城県)、タチノイユ(沖縄県)、サーベル(福島県)、カタナ(富山県)、ダツ/ヒラガタナ(秋田県)、サアベラ(小名浜)、シラガ(越後)、タビノヒモ(幼魚:摂津)、タチヌイユ/タチンジ(沖縄県)、ハクオイ(鳥取県)、タチイオ(愛媛県)
魚名の由来:体が細く銀白色に輝き、太刀に似ていることから「太刀魚」と呼ばれる。 頭を上にして泳ぐことから「立ち魚」と呼ばれる。

主産地

大分 和歌山 愛媛 長崎

名産地

竹岡 肥後田浦

秋~初冬