【握り寿司: 白身】
生食用として流通しているサーモンの多くは輸入品で、主にノルウェーやチリで海面養殖されたニジマス(サーモントラウト、またはトラウトサーモン)やアトランティックサーモンを指します。
ほどよく脂がのった濃厚な味わいと、なめらかな食感、そしてサーモンピンクに輝く美しい身は、世代や性別を問わず高い人気を誇ります。そのまま握りで味わうだけでなく、マヨネーズと組み合わせたり、炙ったりするなど創作寿司との相性も良く、多彩なバリエーションが生まれています。いまやサーモンは、寿司文化を世界へ広めた立役者の一つであり、世界中の人々に愛される代表的なすしネタとなっています。
海外では一般的に、海へ下る個体を「サーモン」、淡水で一生を過ごす個体を「トラウト」と呼び分けています。しかし寿司業界では厳密な区別はあまり行われず、これらをまとめて「サーモン」と呼ぶことが少なくありません。また日本では、輸入された生食用のものを「鮭(シャケ)」ではなく、「サーモン」と呼んで区別することもあります。
近年、世界のサーモン市場には変化が見られます。国連食糧農業機関(FAO)によると、2024年のアトランティックサーモン生産量は約270万トンで、前年を約1万トン下回りました。2021年をピークに3年連続で減少しており、主要生産国であるノルウェーやチリでは、養殖に適した海域の多くがすでに利用されているため、大幅な増産が難しい状況にあります。
一方、日本で消費されるサーモンの約8割は輸入品に依存していますが、円安や輸送コストの上昇によって、国産養殖サーモンとの価格差は縮まりつつあります。そのため国内養殖業にとっては追い風となっています。世界全体の生産量と比べればまだ規模は小さいものの、北海道や東北地方には養殖に適した海域が数多く存在します。今後さらに品質向上と安定供給を実現できれば、日本が新たなサーモンの一大産地へと成長する可能性も十分にあるでしょう。
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(2026年6月1日加筆)