【握り寿司: 白身】赤矢柄は、主に本州中部以南の日本近海からインド洋、太平洋、大西洋などの全世界の暖海に分布する。水深は200mより浅い所に生息している。岩礁、サンゴ礁の上層部を小群で遊泳する。成魚は赤褐色で、各鰭と腹側はそれよりやや色が淡く、ウロコはなくベタベタしている。体長は最大で全長2mにまで達し、その内3分の1は頭部で、口先から眼までの部分は筒状で長く伸びる。
日本近海で食用にされているのはアカヤガラ (Fistularia petimba Lacepède, 1803)とアオヤガラ (Fistularia commersonii Rüppell, 1838)だけで、アカヤガラの方が漁獲量は多い。アカヤガラは、奇異な見てくれとは裏腹に味がよい魚として知られ、旬の魚の少ない夏に旬を迎える。味はまろやかで、肉は他の多くの白身魚よりも弾力があります。特に熱を通しても硬くしまらず、身離れがよいので、蒸し物などにしても美味しい。料亭などで刺身として提供される程、上品な白身で風味が良く、握り寿司にしても当然旨い。歩留まりから考えると超高級魚といえる。
【アカヤガラの目利き】
アカヤガラには鱗が無い。体表が滑らかで、艶のあるもの、目が澄んでいるものは新鮮である。身に張りのあるものはよい。
【アカヤガラの基本データ】
分類:トゲウオ目ヤガラ科ヤガラ族
学名:Fistularia petimba Lacepède, 1803
地方名:ヤガラ(福島県、静岡県伊豆、京都府丹後、長崎県五島)、アカヤグラ・ヤンガラ・サヨリ(静岡県伊豆)、クギウオ・シャクハチ(京都府丹後)、フエフキ(山口県下関市、長崎県対馬市・五島)、ハーフグシ(鹿児島県奄美大島)
魚名の由来:簳(矢の棒状の長い部分)のように細長い魚で、赤いという意味です。また、アカヤガラは市場でアオヤガラと区別するための呼び名です。
長崎
冬