光り物(HIKARIMONO)

春子の握り寿司の画像
春子の握り

春子の握り

【握り寿司: 光り物】春子(又は春子鯛)は元々チダイの幼魚を指すが、近年マダイやキダイの幼魚も指すようになった。春子の語源は、「カスッコ」が転化したようだ。カスッコとは末っ子のことで、すなわち一番小さな子という意味で、小鯛に転義したものと言われる。

春の訪れを感じさせてくれるその淡いピンクの美しい色合いと柔らかい皮の下に隠された旨味とほのかな甘みが口の中に広がるネタだ。なお、春子は握りでは光り物に分類される。

【チダイの成魚】
チダイの旬は初夏で、特に真鯛は夏に味が落ちるので、その代用品として流通する。新潟や富山などでは、真鯛より珍重され、刺身、けんちん蒸し、から蒸し、吸い物などになる。関東地方ではチダイのことを「ハナダイ」と呼び、正月の鯛の尾頭付きに用いる。

【チダイの漁法】
一本釣り、延縄、曳縄、定置網など

【チダイの基本データ】
分類:スズキ目タイ科チダイ属
学名:Evynnis tumifrons (Temminck and Schlegel,1843)
地方名:アブラツコ、エビスダイ、コダイ、チコダイ(高知県)、ハナダイ(東京)、ヒレチコ(大阪府、京都府)、マチコ(大阪)、ホンチコ(関西)、デココダイ(福島県)、ヨリコ(小田原)、ヒダイ(対馬、五島、壱岐、玄海)、ムクチダイ(新潟県)、サコダイ(富山県新湊・四方)、マトダイ(兵庫県明石)、クンダイ(鳥取県米子、島根県松江・浜田)
由来:前述の通り。

主産地

長崎 愛媛 兵庫 福岡

名産地

若狭 佐島