【握り寿司: 白身又は色物】ヒラマサは体長1mにもなるブリの仲間です。青背の魚ですが、その身肉は白身として扱われます。ブリより温暖な海域を好み、金華山沖以南の太平洋、津軽海峡以南の日本海に分布します、特に九州西岸で多く生息する。
肉質は鰤とほとんど同じで、水分が60%前後と低く、一方脂質含量が高い。特に旬の夏場には20%近くになる。引き締まった身の歯ざわり、さらりとして脂肪の塩梅は、カンパチと甲乙つけがたい。
エキス中の成分として多いのは、ヒスチジンとアンセリンである。鰤の身にはアンセリンが検出されてないので、両者の呈味の差に関係している可能性がある。
それと超大型のヒラマサを大量に食べて、シガテラ中毒を起こしたという話もあるが、普通の量を食べていれば問題はない。できれば産卵期の10kg以上の大型魚で、南方で獲ったものは避けたい。
姿、形ともブリに似た高級魚です。上品な脂としっかりとした歯ごたえが特徴。一般に魚は太っている方が脂がのって美味しいと言われているが、ヒラマサはあまり太っているのは大味となり、2~4kgほどの大きさが食べごろとされる。天然の平政は「艶があり、鰤よりも格段に旨い」と賞する人も多い。夏場のすしネタとしては、カンパチやシマアジにはない魚本来の旨さがあり、ネタケースにあれば、是非賞味頂きたい。
【トレビア】
日本では古くから食用として馴染みがあったようで、江戸時代後期の生活実用書「魚鑑」に「ブリに似て、味わい美し」とある。寿司ネタとして使われるようになったのは、昭和の初期頃からと言われる。
【ヒラマサの目利き】
鮮度よいものは背の緑色が濃く、腹部が白い。養殖ヒラマサは特有の黄色縦縞の色が薄い。
【ヒラマサの漁法】
巻き網、定置網、一本釣りなど
【ヒラマサの基本データ】
分類:スズキ目アジ科ブリ属
学名:Seriola lalandi Valenciennes,1833
地方名:ヒラス(大阪府、高知県、九州地方)、シオ(三重県鳥羽)、ショノコ(新潟県)、ハチ(新潟県)、ヒラバタケ(富山県)、ヒネゴ/テンコツ(鹿児島県)、ハマス(幼魚:高知県)、ヒラソ(島根県、山口県)、マサ(富山県)、ヒラ(京都府宮津)、ヒラサ(広島県)、マヤ、ヒラブリ、ヒラソウジ(奄美)
魚名の由来:「平鰤」という当て字があるように、鰤(ブリ)よりも平たいことからきている。「政」はまっすぐな木目を表す「柾目(まさめ)」に由来する。