白身(SHIROMI)

ブリの握り寿司の画像
鰤の握り

鰤の握り

【握り寿司: 白身又は色物】ブリは太平洋側でも、日本海側でも、成魚も若魚も、春から夏にかけて餌をあさりながら北へ向かって回遊し、秋から冬には寒さに追われて南へ回遊する。北へ向かう群れも、南へ向かう群れも、季節を問わずあちらこちらで漁獲されるが、まるまる太って、しかも程よく身が締まった冬のブリが最高である。

成長するにつれて「ワカシ」「イナダ」「ワラサ」「ブリ」と名前が変わる出世魚だ。冬を代表する味覚で、特に富山で水揚げされた「寒ブリ」は絶品だ。鮪のトロに劣らないほど脂の旨みとまろやかな味がたまらない。2~3日熟成させると、さらに旨みが増す。ブリは腹側が断然美味しいので、背側は使わないというすし職人もいます。

最近では養殖が進み、市場に出る8割ほどを占める。関東では、天然の鰤と区別するために、養殖物を「はまち」と呼ぶこともある。脂が乗っていても舌にべたつくようなことはなく、柔らかく、なお嚙み心地がいいが正真正銘の天然のブリと言える。とろとろしていても、嚙み心地がないのが養殖物となる。

一般的に運動不足になりがちな養殖物だが、玄界灘などでは潮の流れの速い沖で、かつ広いスペースを使い、身がしまったハマチを養殖している。これらを「トロブリ」という名で出荷している。

【出世魚の地方名】
ツバル→ハマチ→メジロ→ブリ(大阪)
モジッコ→ハマチ→ブリ→オオイナ(高知)
ツバエソ→フクラギ→ブリ・ニマイズル→ブリ又はサンカ(富山)

【ブリの目利き】
体側の黄色の線がはっきりしていて、体がかたくしまり、尾びれに張りがあるものがいい。そして眼の澄んだ光沢のあるものは鮮度がいい。

【ブランド養殖ブリ】
鹿児島県長島・東町:鰤王
長崎県:健康ハマチ
愛媛県宇和島:戸島一番ブリ
香川県庵治町・牟礼町・さぬき市など:オリーブハマチ
香川県引田(ハマチ養殖の発祥の地):ひけた鰤
香川県備讃瀬戸の海域:なおしまハマチ

【ブリの漁法】
定置網、釣り(手釣り、竿釣り、立縄釣り、延縄、曳縄、かっぽり釣り、電気釣り)、刺網(流網、まき刺網)、飼付漁など

【ブリの基本データ】
分類:スズキ目アジ科ブリ属
学名:Seriola Quinqueradiata Temminck and Schlegel,1845
地方名:モジッコ(幼魚:和歌山県、高知県)、タンゴブリ(茨城県)、アオブリ(富山県)、アカンボ(和歌山県、長崎県、鹿児島県)、スベリ(鳥取県)、アオイオ(高知県)、テンコツ(鹿児島県)、フクラゲ(若魚:日本海側)、シヨノコ(岩手県)、シヨウノコ、ニウドウ、バチ(新潟県)、サンバク(茨城県久慈)、ガンドウ(富山県、石川県)ニマイズリ、オフクラギ(石川県)、ハナマガリ(京都府丹後)、マルコ(鳥取県)、テンコ(島根県壱岐)、スズイオ(高知県)、ヤズゴ(福岡県)、ヤガラ(長崎県)、アカバニソジ(沖縄県)
魚名の由来:年をとった魚を表す「経魚(ふりうお)」から転じてブリとなったとされる。

主産地

富山 石川 長崎 千葉

名産地

氷見 佐渡 余市 七尾

晩秋~冬