【握り寿司: 光り物】富山県及び茨城県以北の北日本、黄海北部、カリフォルニア以北の大西洋、北極海に生息する。太平洋と大西洋にそれぞれ一種ずつ分布し、その二種は北極海を起源にしている。体長は30cmほどになる。幼魚時の姿がイワシに似ていることから東北ではカドイワシやカドとも呼ばれる。
鰊のうまみは、主に肉中の高い脂肪含量によるが、旬には遊離アミノ酸、特にヒスチジンの濃度が高まる。購入する時は鱗落ちの少ない物、皮に特有の光沢があり、腹切れしていない物を選ぶと良い。目の血走りは、漁獲時に内出血することが多いので、鮮度の目安にはならない。
それとニシンは小骨が多いので、通常の寿司ネタのように厚く大きく切りつけると骨があたります。そこで小骨を丹念に抜こうとすると、身が柔らかく崩れやすいので難しい。そこで斜めに薄く切りつけ、3枚ぐらいを重ねて1貫分とすることもあります。
北海道のご当地ネタとして人気がある。徐々に北海道以外でも人気が出ており、食べる地域が広がっている。青魚特有のクセのある旨みが特徴。光り物としては比較的さっぱり目で食べやすい味わいだ。鮮度が落ちやすいので、酢締めで握ることが多い。鮮度のいい生の握りは格別だ。
【トレビア】
室町時代の「運歩色葉集」やそれ以前の風土記で確認されており、古くから日本人に馴染みのある魚だった。ただし、江戸時代の「重修本草網目啓蒙」によれば、京都には背肉のみを乾燥させた身欠ニシンが運ばれ、美味な身全体のニシンでなかったため、猫の食べ物とされたという。
【ニシンの目利き】
鮮度が落ちると、エラに血が滲んでくる。うろこが多く付いていて、肌が銀色で光沢があるものが新鮮です。
【ニシンの漁法】
建網(定置網)、刺網など
【ニシンの基本データ】
分類:ニシン目ニシン科ニシン属
学名:Clupea pallasii Valenciennes,1847
地方名:アトニシン、アブラニシン、イサザニシン、エビスニシン、ゴモアラニシン(北海道)、ニシンイワシ(富山県)、アメイワシ(壱岐)、チヤツト、ヤナバ(陸前)、カド、カドイワシ(東北)、ナツシシン、ハナグロニシン、マルニシン(北海道)、ヘロキ
名前の由来:二つが有力です。一つは「二親(ニシン)」とは父母のことであり、盆や正月に両親の長寿を祈って食べる魚であったことに由来する説である。もう一つは、「二身(ニシン)」の身を二つに割いて食べることに由来する説である。
北海道
冬