【握り寿司: 白身】
適度な脂を含んだ身はシコシコとした弾力があり、クセがなく上品な味わいです。薄く切りつけた身に、旨みの増したカワハギの肝を少しのせて食べると、格別の味わいになります。この場合は、浅葱や紅葉おろしを添え、ポン酢で食べます。一方、肝をのせず、スダチなどの柑橘類と塩で食べると、身の淡い甘みをより強く感じられます。
魚介類の肝の中でも比較的臭みが少なく、食べやすい肝です。活魚の肝は生で、それ以外は茹でてから握ります。肝の大きさや脂の量は養殖物のほうが多く、大分県産などの養殖物はかなり高価です。市場では、すし職人がカワハギの腹を触り、肝の大きさを確かめる光景も見られます。
寿司店では、冬の訪れを感じさせる寿司ネタの一つです。10月頃から店の品書きに並ぶこともあり、秋の深まりとともに味わいたい一貫です。
【カワハギの生態】
カワハギは北海道以南や東シナ海などの浅い砂底と岩礁が混じるような環境に生息する。体色は暗褐色でこげ茶色の斑紋がある。全長は約30cmで、細かなトゲ状のウロコは固く、皮が厚い。皮をはいでからでないと食べれないことから名が付いたとされる。皮はヤスリの代用として使われるぐらい固い。ウマヅラハギに比べると体が丸いので、マルハゲと呼ばれる。
カワハギの一大産地という場所はありませんが、比較的日本海側での漁獲量が多くなっています。かわはぎの漁法は、カゴ漁や定置網、刺し網ですが、一度に大量漁獲できない魚です。それはカワハギは群れで泳ぐ魚ではなく、個々が単独で行動しているからです。他の魚を獲る時に、ついでに漁獲される魚である。また、カワハギは需要の高い魚であり、天然種苗を利用した養殖も行われている。
また、カワハギは磯魚特有の臭いがないため、おぼろの原料にも使われます。カワハギのおぼろは、しなやかで上品な仕上がりになります。
【カワハギの旨み成分】
エキス中の遊離アミノ酸組成は典型的な白身魚型で、タウリン、グリシン、リジンなどが多い。タウリンは魚肉では最も高含量の部類に属し、甲殻類や軟体類の身の含量に匹敵する程である。また旨み成分であるグルタミン酸も多い。
【カワハギの目利き】
鮮度のよりものは背ビレを立てた時に、膜が透明である。鮮度が低下してくると眼が濁ってくる。
【カワハギの漁法】
カワハギ網漁、籠漁、定置網漁、釣りなど
【カワハギの基本データ】
分類:フグ目カワハギ科カワハギ属
学名:Stephanolepis cirrhifer (Temminck & Schlegel,1850)
地方名:ギハギ(宮城県)、ハゲ(三重県、関西地方、四国地方)、ギュウ、スブタ(愛知県名古屋)、バクチウチ(兵庫県、鳥取県、岡山県、紀州)、カワムキ(福岡県)、ゲンバ(千葉県勝浦)、ツノコ(鹿児島県)、メイボ、メンボウ(福井県、島根県、山口県長門)、ハギ(宮崎県)、バクチ(静岡県)、ウシズラ、ハズ(駿河湾)、マルハゲ(明石)、チッチ(青森県)、コグリ(山形県鶴岡、新潟県)、ゲバ(神奈川県)、コウモリダイ(石川県、富山県)、ツノハゲ(紀州)、チョウカレンボ(鳥取県)、モチハゲ(広島県、山口県)、コクサン(高知県)、マブユ(沖縄県)
魚名の由来:調理の時、丈夫な皮を剥がなければならないことからきている。
(2026年9月19日加筆)
千葉 神奈川 大分 三重
晩秋~冬