白身(SHIROMI)

サワラの握り寿司の画像
鰆

北海道南部から九州、沖縄に至るまで全国の沿岸に分布し、時に瀬戸内海では多く水揚げされる。鰆は、成長につれ名前が変わる出世魚であり、30~40cmの若魚をヤナギ、40~50cmのものをサゴシ、50~60cmのものをナギ、60cm以上のものをサワラと呼ぶ。そして最大で1mを超える大型魚だ。

代表的な春の魚のように思われている鰆だが、その旬は土地によって異なる。瀬戸内海では、外海から産卵にやってくる。鰆によって「春を知る」ところから、「鰆」と書くようになったそうです。関東地方では秋以降、とりわけ12月を過ぎたものを寒サワラとして賞味する。和歌山では、桜の盛りの時期に獲れるサワラを「桜サワラ」と呼ぶ。

鰆はサバ科の魚だが、鯖の身肉のような赤み掛かった部分はなく、綺麗な白身だ。口の中に入れた時、とろけるような食感と皮と身の間にある独特の風味がよい。これが鰆の人気の秘密だと言える。味は淡泊なようでコクがあるので、鰯や秋刀魚を餌としているからと思われる。

鰯や秋刀魚を餌としている影響は、鰆の身肉の脂質を構成している脂肪酸の内容から推察できる。鰆の身の脂質含有量は2月上旬のもので14%もあり、そしてEPAやDHAが他の脂肪酸と比べて非常に多い。特にDHAは鰯や秋刀魚より多い。よって脳を活性化させるほか、動脈硬化の予防などにもいい。

鰆の味の良さは、筋肉中のエキス成分からわかる。エキス成分中の窒素量は筋肉100gに対して450mgも含む。その量は旨みたっぷりの鯛や鰤などに匹敵するくらい多い。アミノ酸類の中ではヒスチジンを鯖と同じくらい多く含む。タウリンは鯛よりも多い。イノシン酸、カルノシン、カルニチンなどのコク味のある物質も多い。鰆の濃厚な味わいの陰にはこれの物質がある。

一般的には焼いて食べるのがあたりまえのようですが、刺身は鰆のうまさを堪能することができる。また熟成させたり、昆布締めにしたりして、より鰆の旨みを堪能できるのが、握り寿司である。すしネタにできるのは鮮度のよいものだけなので、ネタケースに並んでいたら、是非とも食べたい。鰆はカツオと違って、皮目を炙った方が旨い。上手に炙るとふんわりした身がさらにふわふわになるからです。食べた瞬間は淡白に感じても噛むほどに味が出て、後を引く旨さが舌の奥に残るのも特徴です。クセがないので食べ飽きないというのも魅力です。一般に脂ののりが強いので、背側や尾に近い方が上物と言われるが、逆に腹側を珍重する店もある。これは鮪のトロと同様好き好きである。

分類:スズキ目サバ科サワラ属
学名:scomberomorus niphonius
地方名:サゴチ/サゴシ(若魚:関東地方から九州地方)、オキサワラ(長崎県対馬)、サアラ(兵庫県)、ヤナギ(若魚:兵庫県)
魚名の由来:細長いという意味の「さ(狭)」に「はら(腹)」、つまり腹が狭くほっそりとした体形ということから、その名がついた。

主産地

長崎 宮崎 三重

名産地

瀬戸内海

晩秋~早春